リフォーム・リノベーションの3か条@中西ヒロツグ

今週のバトログを担当します、イン・ハウス建築計画の中西ヒロツグです。今年度から参加させていただくことになりましたので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

私の事務所は今年で設立20年になりますが、個人住宅を中心に、集合住宅や店舗、保育園等の設計監理を中心に行なっております。独立して間もなくスケルトンリフォーム住宅を手がけたのですが、当時まだ修繕が中心だったリフォーム業界で、その斬新なアイデアと巧みなプランニングが話題になりました。それ以来仕事の約8割がリノベーションの設計となっています。

今もたくさんの方からリノベーションのご依頼を受けるのですが、どんな家でもリノベーションできるわけではありません。特に戸建ての場合は、むしろ建て替えた方が良い家も少なからず存在します。そこで私は、ご相談があった際に、最初に3つの条件についてお話ししています。「リノベーションの3か条」、つまりリノベーションに向いている家の条件です。

1つめは法的な条件です。建築基準法では一部の例外を除いて、建物の敷地は道路に2m以上接していないと建てられません。住宅密集地などでは、これが確保できずに建替えが認められないことがあります(再建築不可)。また、家が建った後に建ぺい率や容積率、高さ制限などの基準が改正されたことで、建替えようとしても同じ規模の家が確保できないことも少なくありません(既存不適格)。他にも、借地などで建替えが認められないこともあります。この場合は必然的にリノベーションを選択することになるでしょう。

2つめは心理的な条件です。例えば古民家や歴史的建造物など、残すべき価値がある場合です。そこまでではなくても、家族の歴史や思い出を残したい家の場合も当てはまります。そのような思い入れのある家は、ぜひリノベーションで引き継いでいきたいものです。

3つめは物理的な条件です。雨漏りやひび割れ等の劣化が少なく、屋根・外壁・構造など、活かせる既存部分が多ければ多いほど、費用対効果の高いリノベーションが可能です。構造的には1981年以降の新耐震基準に則った構造かどうかがひとつの判断基準で、それ以前の旧耐震基準の場合は、耐震補強や機能回復のウエイトが大きくなり、建て替え以上にコストが掛かることもあります。

これらの条件のいずれかに当てはまる場合は、リノベーションをお勧めしています。逆にどれにも当てはまらず、単に予算的な制約だけでリノベーションを考えている方には、むしろ建替えを推奨しています。
リノベーションでは、想定外の費用がかかることもしばしばあります。計画を進める前に、リノベーションの意義を見出すことが成功のカギと言えるでしょう。

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