ばとろぐ

建築家

建築家ブログ

リフォームの注意点 その4 @河辺 近

動線・ゾーニング

古い戸建住宅
30年以上前につくられた戸建住宅は、応接間、客間、茶の間、台所が必須という考えが多く、部屋を廊下でつないでいた。軸組工法で建てられた木造住宅の廊下は、有効幅が広くても780mmしかなく、自走式の車いすで通ることは困難である。家の使い方、生活の仕方、住まい方を考え、住まい手の生活に合わせた空間、間取りをつくることを心掛ける。

1970年代の公団型住宅
1970年代に多く見られた公団型住居は、階段型で南北方向のみに開口部があり、南に居室、北に水廻りという間取りが一般的であった。
壁に向かう台所、その隣が畳の茶の間である。リフォームする場合、水廻りは必ずしも北側でなくてもよいが排水のつなぎ込み位置は決まっているため、勾配には気を付けて配置する必要がある。公団型の住宅では隣棟間があり、長い年月のなかで大きく育った樹木があり、気持ちのよい景色が広がっている。

1980年代の民間マンション
1980年代の民間マンションは都市型で街中に建設されているものが多い。建物の片側に外階段がある。内部は、部屋の中央の北から南に中廊下があり、南側にはLDK+畳の部屋、北側に外廊下に面した居室があり、窓のない水廻りが中央に位置する。
この場合の問題は部屋全体に風が抜けにくく、水廻りがとても暗いことである。
リフォームを行う際は、限られた開口部からの明かりや風通しを考慮する。ただ部屋をつなぐだけの廊下ではなく、部屋のなかに光と風を呼び込む空間として利用することが望ましい。

 

河辺 近
ken-ken 有)一級建築士事務所

河辺近  ばとろぐ記事


リフォームの注意点 その3 @河辺 近

実測 ―マンション/部分リフォーム―

マンションリフォームでは、まずは、コンクリートの構造躯体の位置を知る。構造躯体なのか、単なる間仕切壁なのか、下地の調査を行う必要がある。
建築主が所有している図面は、計画を行う前の参考にしてもよいが、必ず現地の実測、目視を行う。

壁の仕上げ方は、下地の上に張り付けたもの、コンクリートの躯体に直接張り付けたもの、造作物などに分けられる。どのように壁がつくられているのかを調査する。壁を叩く、針状のもので刺してみる、天井点検口からのぞくことも有効である。
床については、コンクリートの床に直接張られたものと、床組をつくりその上に張られたものの2種類がある。床下点検口があればよいのだが、マンションでは床下の点検口が少なく、確認しにくい。キッチン、洗面化粧台、畳の部屋、押入れの床などは、比較的簡単に外すことができるので、必ずなかを確認しておくこと。この時、必要な道具はミラー、照明である。
現地調査の段階で、建物を壊して調査が必要な時には、仮補修のしやすい場所で行う。天井、壁、床の裏側に設備が埋め込まれていないかに注意して行う。床の場合、ガス配管、床暖房のマットなどが要注意である。また、調査段階でも、ガスの元栓は必ず閉めておくことが必要である。

部分リフォームでは、リフォーム箇所の詳細な実測が必要だ。解体を最小に行うためである。既存部分が直角・水平とは限らないため、取合い部分を考えておく必要がある。

 

河辺 近
ken-ken 有)一級建築士事務所

河辺近  ばとろぐ記事


リフォームの注意点 その2 @河辺 近

建築設計・監理等業務委託契約

建築設計・監理業務は請負契約ではなく委託契約である。

リフォーム工事の建築設計・監理業務は、新築工事時とは異なり、業務内容が非常に多様である。内装工事で終えるもの、設備等を新しくするもの、間取りを変えるもの、増・減築、建築の構造体を工事するものなどがある。
この場合、建築設計・監理等業務委託契約料は、新築工事時によく用いられる工事金額や工事面積をもとにした料率表から計算することは難しい。仕事内容、所要時間を加味したうえで、国土交通省告示15号(業務報酬基準)の公示(平成21年1月7日)から算出したい。また、担当者の経験、技術料、諸経費等も同様に算出するとよい。

リフォーム工事専用の建築設計・監理等業務委託契約書の標準書式はないため、自分で独自に契約書を作成するか、または、新築工事用の建築設計・監理等業務委託契約書に手を加えて使用する。よく使用されている様式は、四会連合協定のものと、(社)日本建築家協会(JIA)のものがあるので知っておきたい。
建築設計・監理等業務委託契約書では、「この業務として何をいつまでに、報酬はいくらで行うのか」ということを建築主に正確に、かつ、分かりやすく伝えなくてはならない。

リフォームの計画では、まず現況を、平面、立面、断面、構造、設備など必要に応じて図面に起こさなければならない。契約の前に調査、図面作成などの金額を定め、事前調査についても契約書を交わしてから行うことがトラブルをなくす。

 

河辺 近
ken-ken 有)一級建築士事務所

河辺近  ばとろぐ記事


リフォームの注意点 その1 @河辺 近

バトログ、今週は河辺がお送りします。
先日発行されましたリフォーム本の元原稿より、リフォームの注意点を順次お伝えしていきます。

マンションリフォーム ―管理組合との連携―

マンションには守らなければならない管理規約がある。新築購入時に販売会社で定めたもので、その後は、管理組合で決めて更新されていく。最近のマンションでは、各仕様の性能基準について決められている事項も多い。
特に床の遮音、振動等に関する性能基準はリフォームを行ううえで大きな影響がある。壁、天井についても遮音性能を求められることがあるので、注意しなければならない。
管理組合によっては、工事の計画書、仕様書を事前に提出し、許可を取ることが必要になることもある。管理組合理事会の承認などの手続きを得る場合は、工事許可が出るまでに2か月以上かかる例もあるので着工までの日程に余裕をもっておくことが大切である。
工事に関しては、工事時間、搬入経路などを必ず確認しておく。材料や工場での造作物などは、搬入スペースの幅に合わせて計画する。
高層マンションでは、住人の使用しない管理者用のエレベーターなどを使用できるケースもあるが、使用できない場合もある。住人と同じ動線を使う場合は、工事車両の停車位置、時間などのルールを確認しておく。
既存部分の解体時には、特に騒音、埃、廃棄物に十分な配慮が必要となる。解体した廃棄物の運搬は、基本的に手運びとなるため、近隣への配慮が大切になる。
管理規約やルールがしっかりとしている建物は、計画や工事が進めやすい。反対に約束事のない場合は、トラブルが起こりやすいので、慎重に計画を進めなくてはならない。

 

河辺 近
ken-ken 有)一級建築士事務所

河辺近  ばとろぐ記事


ひかりを組み込む家 基本設計終了@石井正博+近藤民子

5月から設計が始まったSE構法の住宅『ひかりを組み込む家』(地下1階地上3階建て)の基本設計が終了。

建て主の方に一冊にまとめた基本設計図書をお渡しして、今までの打合せ内容を一緒に確認。

現段階での予想工事費もお伝えし、今後のスケジュールや実施設計で打合せる内容などのお話もしました。

これからは年末の設計完了を目ざして、より細かな実施設計に入ります。

>>ブログカテゴリー ひかりを組み込む家

sssP1130686[1]

「毎日毎日図面を眺めて考えている」と建て主の方からお聞きし、幸せな気持ちになりました。

>>設計事務所アーキプレイス 石井正博+近藤民子