建築設計製図の道具ツールの変化コンピュータCAD3Dモデル

ばとろぐ担当をします、市村宏文(エルスト)です。

今回は仕事の道具「CAD」についてお話しします。

今では当たり前にコンピュータを使い図面を描いています。その設計で使用しているソフトがCADです。正式には「computer aided design」コンピュータ支援設計とも呼ばれ、コンピュータを用いて設計する事で、日本ではJISで「製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計」と定義されています。(引用:Wikipedia)

私が建築の世界に入った時は、T定規・三角定規・ホルダーを使っての手描きで図面を作成していました。ちょうど20年前にCADに移行しましたが、当時は2次元CAD(2D-CAD)が普及し始めたばかりでしたので、導入コストもありその時はMac版の汎用2D-CADを使い始めました。

意外な事ですが、設計業務(機械、電気、工業デザイン)の中では建築設計、特に意匠設計はCADを使っての作図作業が一番遅れていました。どうしてか簡単に説明すると、それは図面の意味の違いにあります。建築家の図面はそれ自体も作品としていて、線の表現にも気をつけて描き込んでいきますが、工業デザインの線は記号の一種とみています。ですので機械が描き出す画一的な線の図面がのっぺりと見えてしまい、意匠設計になかなか受け入れられませんでした。

さて2D-CADを使って大きく変わったのは、図面修正が楽になった・・・位でした。作図が紙からモニターになり、設計の手段(道具)が変わりましたが手法や進め方は手描きの頃と一緒でした。

2D-CADを10年使い、そして10年前に3次元CAD(3D-CAD)に移行しました。時期としてはAIA(アメリカ建築家協会)がBIMについて議論を始めた頃です。日本語版の汎用3D-CADは2つしか無く、以前から知っていた(CAD導入時にコストの面で断念していました)グラフィソフト社のArchiCadを導入しました。

2D-CADと3D-CADを比べると、設計のプロセスが大きく違っています。2D-CADはイメージを検討しながら平面、立面等の図面を描き、それを元にイメージパースや3Dパースを起こしていきます。それを繰り返し検討し、各図面の整合性を確認しながら最終の設計図面にまとめていきます。

「完成イメージ⇒図面検討/パース検討⇒設計図面」

3D-CADは、いきなりCAD上に建物を作り(モデル化)、その3Dモデルで繰り返し検討していきます。最終的に設計図面として必要な図面は、モデリングした建物の水平断面が平面図、縦断面が断面図、側面から見たのが立面図として表示しています。元のデータが一つのなので、どの図面で修正、変更をしても他の図面にそれが反映されます。平面図で窓位置を変えると、当然、立面図も変わっています。これで各図面間の整合性が取れていない事がなくなります。

「完成イメージ⇒3Dモデルで検討⇒設計図面」

この3D-CADにしてから、頭の中のイメージを目に見えるモニター上に表現し、また、建物の3Dモデルをクルクルと動かしていろいろな角度から見て、拡大縮小しながら実際には見ることが難しい位置からの確認を繰り返ししています。設計時の考え方が「図面検討(2D)→3Dモデル化」から「3Dモデル検討→図面化(2D)」と、全く逆になりました。

最終的には建築物(3D)を建てるのですから、設計時も3Dで考える方が自然のように思え、最近はCAD上での建物モデルを実際と同じ様に作り込んでいます。

この3D-CADは設計手法の変化のみではなく、建築生産の観点からもBIMという形で大きく変えようとしています。ようやく本当の意味でのCAD(コンピュータ支援設計)になっていくのではないでしょうか。

6月6日(土)、7日(日)に横浜赤レンガ倉庫1号館で開催します「建築家31人×3Works vol.18」で、協賛企業のグラフィソフト社の協力を得て、このブログで使用した建物の図面データを公開します。それを見て頂くと3D-CAD設計の進め方が分かって頂けるとおもいます。ぜひ会場でご覧ください!

市村宏文/株)エルスト

建築家31会 からの お知らせ

来たる1月15日(月)〜21日(日)の7日間、豊洲シビックセンターギャラリーにて、建築家が実際に設計した住宅などの写真・模型を持ち寄って、家づくり相談会を開催します。

会場には建築家が設計した実例を展示して、建築家本人が居り、家を建てたいお客様の悩みや相談に応えます。

・家づくりをお考えの方
・敷地や予算に厳しい条件がある方
・建築家の話しを一度聞いてみたい方
・今相談している先に疑問がある方
・店舗や医院、賃貸建物を検討している方
・リフォームか建替えか迷われている方

客観的な視点からお客様の選択肢を提案して、より真っ当な内容と費用で実現していますので、この機会にどうぞご来場ください。

建築家31会 家づくりトークショー・展示・相談会 vol.27
日時:2018年1月15日(月)~21日(日)
会場:豊洲シビックセンター 1F ギャラリー

建築家31会では、お客様の家づくりのお手伝いをさせていただいています。

設計事務所というと、

・どこにいるかわからない
・誰を選んで良いかわからない
・とんでもないことをされてしまうのではと心配

そこで、私達の特徴として、31人(組) 経験実績、得意分野、地域が異なる建築家が集まっているので、

・お客様が建築家を選べられる
・お客様に相応しい建築家を推薦出来る

と、安心して建築家を選んで頂けるようになっています。

どうぞ下の相談フォームへのボタンから、お客様のご相談を建築家31会にお送り下さい。お客様の予算やスピードに合わせて建築家を選んでいただき、希望の家づくりをお手伝いさせていただきます。

「建築家の役割」関連解説記事

市村宏文  ばとろぐ記事

カテゴリー: 建築家の役割, 建築家ブログ”ばとろぐ” パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です