「構造ってなにがいいの?」 @有泉絵美

建物の構造には、
木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
があり、この順に、耐用年数は上がります。
税務上で定められた減価償却年数も、この耐用年数と関係しています。
(参考までに、鋼材の厚みが6mm未満のものを軽量鉄骨造と呼びますが、構造種別としては鉄骨造となります。この軽量鉄骨造には、鉄骨造より減価償却年数が短いものもあります)
そのためか、銀行融資・税制面から減価償却年数の短い木造を希望される方もいらっしゃいます。
コスト面から構造種別を決める事も、もちろん大切な要素です。
でも、本当にそれだけで決めていいのでしょうか?

例えば、
「大空間でもコストを抑えたい」となると、建物全体は木造でも、その部分のみ鉄骨造にするなど、求める空間から構造を決める事もあります。

同時期に同規模で構造種別が異なる福祉施設を計画した時のお話です。
ひとつは、銀行融資の都合上、木造でないとダメという計画でした。
もうひとつは、鉄骨造です。
鉄骨造は、整形な建物形状、木造は、温もりを感じられる居住空間としたいとの要望から、さまざまな要素を取り入れた建物形状・空間構成としました。
坪単価は鉄骨造と木造で同じでした。
あの施設、もし木造以外にも構造の選択肢があれば、工事費も下がったのではないかと今でも思っています。

「こんな空間が好き」をスタートにアプローチをしていくと、自ずとその空間を実現する構造は決まってきます。
「構造ってなにがいいの?」ではなく、「こんな空間にしたい」を大切に、お客様とともに、素敵な空間・心地良い居場所をかたちにしていきたいと思う今日この頃です。