「省エネ・高気密高断熱、健康で長生きできる家」 @磯村一司

最近は、ハウスメーカーの住宅をはじめとして、高気密高断熱で省エネの住宅が当たり前になってきました。
国の方針としても、2020年には、住宅においても断熱性能の義務化が求められるようになります。

欧米で当たり前の高気密高断熱住宅が、日本でも、東北・北海道エリアでは、建売住宅でも高レベルの断熱性能が準備されているほど、普及してきました。寒さから身を守る、光熱費を抑えるというメリットが大きいからです。
関東以南では、そういう意味では、まだまだ十分に認識されているとは言えない状況だと思います。

高断熱の家は、エネルギー消費量を減らし、CO2削減に役だち、地球環境に貢献する住まいになりますが、クライアントとっては、健康で長生きできる家でもあります。

これまでの高断熱の家といえば、室内の温度差が少なく、高齢者にとっては、ヒートショックによる脳内出血や心疾患などのリスクが抑えられることは、よくご存知だと思います。

近年、高断熱住宅が増えるとともに、新たなことがわかってきました。
それは、高断熱が負の側面を緩和させる(寒くなくなる)だけではなくて、住民の健康を促す効果です。

人は、暖かい室内環境の方がよく動くそうです。
1日の温度差が10℃ある部屋と、温度差のない部屋にいる人では、1日の歩数が1400歩ほど違い、住まいの部屋部屋での温度差がない家(例えばリビングとトイレで)の人は、住まいの中の部屋と部屋での温度が10℃以上ある家の人より、2000歩ほど多く歩いているそうです。
健康のためには、1日8000歩+早歩きといわれていますが、室内でのこの違いは大きいです。

そして、断熱レベルの高い住宅へ住み替えた人たちの追跡調査では、健康に大きな変化が見られたそうです。
断熱性能が上がるのですから、冷え性などが改善されたというのは、想像できる結果ですが、アレルギー性の鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息なども、断熱性能のグレードが上がるほど改善され、健康状態が良好に変わっているということです。

ただ断熱気密性能の高い家というのであれば、今では比較的容易に建設することができます。(東京ではまだ職人さんの認識が低いので、工事については、注意が必要ですが。)
屋根や壁の断熱材の厚みを増やし、窓面積を小さくすることが、てっとり早い解決です。建売や住宅メーカーのデザインによく見られるような、縦長窓を多用した住宅例などがそうです。
そういう縦長窓のデザインも悪いわけではなく、それもあることとは思いますが、画一的になりがちです。

私が考える「住まい」とは、敷地を生かし、通風や陽射しを取り込み、吹抜けやスキップフロアなど、空間に動きが感じられたり、明るくバランスの良い豊かな空間をとおして、クライアントの生活感を実現するものでありたいと考えています。

ヨーロッパと違って、亜熱帯のような高湿度の日本で、自然環境を取り込みながらも、省エネで高気密高断熱な住まいを作ることは、簡単なことではないのですが、その技術はだんだん整ってきています。

これからの住宅は、健康を作る器であるとともに、精神的にも文化的にも豊かでありたいと思っています。