「遮音について」@菰田真志+菰田晶

戸建ての住宅での設計では集合住宅ほど音にデリケートになることは少ないですが、住む人の感覚によって感じ方が違いますので、そこはしっかりと確認をして設計に落とし込んでゆかなければいけません。
プラン的なもので解決できることもたくさんありますが、今回は特に遮音(防音)方法の技術的なことを主に書くことにします。

音といっても住まいの音は色々あります。

  • 外から中に入ってくる音
  • 中から外に出る音
  • 中から中へ伝わる音

大きく分けると3種類あると思います。

それぞれ特徴があり対処法も違ってきますが、大前提として音を遮るための方法は意外と単純です。
基本事項:音は空気・固体の振動で伝わる

  1. 固体の振動を抑える→材料の重さ
  2. 空気の振動が伝わらないように気密する。
  3. 共振・反響しないようにする。
  4. 揺れるものからは縁を切る

基本はこの条件の組み合わせです。
それぞれについて簡単な例を出してみたいと思います。

  1. 木造よりもRC造のほうが壁自体重く振動しにくいので、外部からの音も内部の音も伝わりにくくなります。
    地上よりも土で囲われた地下室のほうが防音するのには有利です。ピアノ室や本格的なオーディオルームなどを計画するときには、遮音のことをメインに考えるのであれば、地上よりも地下室、木造よりもRC造のほうが断然有利です。
  2. 家の直近に幹線道路や軌道が通っているときには、家の外壁面になる壁に対して対策をしましょう。
    例えば必ず入れる断熱材をセルロースファイバー等の重い充填断熱にすることは大きな効果があります。加えて内部の壁下地のプラスターボードを厚い物の二重貼にすることも効果があります。
    忘れてはならないのが、外壁の開口部・窓です。窓は気密がしっかりしていないと音の出入りが大きくなります。気密のしっかりした窓を設置し、可能なら二重窓にするか、ガラスを重いものにしたりすることも重要です。
  3. ペアガラスの場合には内外のガラスを重いものかつ厚みの違うものにしましょう。内外同じ厚みのペアガラスは間の空気を通じて共振して音が伝わりやすくなります。
    部屋の間仕切壁も同じ事が言えます。
    寝室を簡易な防音室にしてオーディオルーム等にする場合などは、隣の部屋との間の壁などはボード二重貼にして壁の内部にセルロースファイバーを充填すると効果が高いです(これは1.の対策法です)。セルロースファイバーは価格が高いということであればグラスウール等の断熱材を充填して空気の振動が伝わりにくくすることで、音の減衰とボードの共振を抑えることができます。
  4. 本格的なオーディオルーム・ピアノ室など、時間を問わず大きな音で楽しみたい、周囲の音を高い次元でシャットアウトしたい場合には防音壁で囲われた部屋を入れ子状にして、ゴム等を挟んで縁を切り、お互いが接しないようにすることで大きな効果を得ることができます。ただし、壁厚が非常に厚くなり出来上がりの部屋よりもずっと大きなスペースを必要とするため、初めからしっかりと計画しておく必要があります。また、工事が複雑になるため費用もかかってきます。

駆け足でしたが、遮音方法の概略を書いてみました。
設計段階でしっかりと計画することは当然ですが、遮音に関しては施工精度やディテールで仕上り性能が違ってきますので、施工の管理、設計監理ともに非常に重要です。

自分が求めている性能がどのくらいのもので、効率よく実現するのにはどうすればいいのかを相談したいときには、是非、設計事務所に設計監理を相談してみてください。