「小さく住まう」@大塚あや

家づくりには多くの切り口がある。

予算、立地、周囲の環境、住まい手の家族構成…等。
それらを一旦真っ白な紙の上に広げて傍観してみると、様々な条件が絡み合って家づくりが成立していることが分かる。

ここで。「住まう」という切り口で家づくりを考えてみよう。
ゴージャスに住まう、つつましく住まう、伸びやかに住まう、機能的に住まう、健康に住まう…等。どんな風に住みたいのかは千差万別で家族が皆同じとも限らない。

だからこそ、私はいつも設計の切り口を「住まい方」に焦点をあてることが多い。
漠然としたイメージのように感じられるが、不思議と人は、具体的な条件を出そうとすると一番自分が求めていることを見失いがちで、漠然としたイメージを伝えてもらう方が的を得た提案ができることが多い。

例えば「ゆとりを持って住みたい」とは誰もが願うことだと思う。
私はその一つの選択肢として「小さく住まう」ことを推奨している。

「小さく」とは床面積を小さくしコストを控えめに、というだけではない。
床面積を小さくするということは、家事動線、子育て動線をコンパクトにするという機能面での話にもなるし、ものを増やさない生活、置かない生活、を目指すためには収納
計画がきちんとできていないと実現できない。更には、家事動線も子育て動線も、そして収納計画も住まい手によって異なる。専業主婦なのか、共働きなのか、家事の分担はあるのか、洗濯物をしまう場所はどこなのか…等。洗濯動線一つとっても各家庭で本来は違うのだから相応の計画でないと意味がない。

多くの主婦は、できれば家事をスムーズにそしてコンパクトにまとめたい。子供がいる家庭では、どうしたらものが片付く家になるのだろうという相談も多い。
「小さく」することで、家事や子育てで必要にせまられる時間を短縮でき“ゆとり”を生み出すことができる。ものを置かない、散らからない生活は掃除も楽だし、気持ちよく生活ができることは言うまでもない。

ずばり、極論を言ってしまえば。
1.散らかるスペースを無駄に広くしない
2.コンパクトな家事動線、子育て動線
3.適材適所の収納&「しまう」システムを作る

これだけ揃えば「小さく住まう」ことは可能なのだ。
そして。
ここに工夫を取り入れることによって、ゆとりを持って住まう、伸びやかに住まう、楽しく住まうことの可能性が広がる。