「2020年までの住宅事情」@石川利治

先般、東日本大震災発生から4年が経ちました。未曾有の災害からの復興は、ゆっくりではありますが、着実に進んでいる様子が報道番組からも伝わって来ました。土地の嵩上げが進めば、それを追う様に建設ラッシュが見込まれる事でしょう。一日も早く、穏やかな日常生活が取り戻せる事をお祈りしております。
東京で仕事をしている我々は、復興のお手伝いをする機会は、決して多くはないのですが、建設業界としては、繋がりを意識させられる事は多々あります。釜石市で復興住宅に携わっている建築家仲間は、日々膨大な作業に追われながら、毎日を送っています。3月の時点で復興住宅の発注はほぼ完了したとの事ですので、ここから一気に着工する事になるのでしょう。東京に居ても、職人さんの人手不足や建設機械の手配がままならない事などがありますので、復興を急ぐ地域ではなおさらの事・・・・非常事態への対応ではありますが、需要と供給のバランスが少し崩れている事を感じます。
これらの事情が、建設コストにも影響しているのは事実で、中々進まない「デフレからの脱却」を先取りする形で、建設物価の上昇や賃金体系の改善が進んでいるのではないでしょうか。リーマンショックにより、底値に下落した建設コストは、震災からの復興に加え、2020年の東京五輪が決まった事で、この先の建設需要が見込まれる事もあり、明らかに上昇の傾向にあります。恐らくこの状況は、この先も続いて行く事でしょう。これから新居をお考えの方には、耳の痛い話ではありますが、家を持つために準備しなければならない資金は確実に上昇しておりますので、ご計画の際にはご留意頂ければ幸いです。
国の政策的には、省エネルギーへの配慮、低炭素社会の実現に向けての誘導を強めている傾向にあり、それに伴う建設行為を補助する動きは行われつつあります。中古住宅のリフォームや、新築住宅においてはより断熱性能の向上や、省エネに資する設備機器の導入を行う事により、補助金や減税を得る事が出来る法律も制定されています。同等の金額でより性能の高い住宅を手に入れる事を視野に入れる事もできるでしょう。建設資金としては、少々高価になる可能性はありますが、ランニングコストは確実に抑えられる事になりますので、収支バランスをトータルにご判断頂く事もひとつの考え方かもしれません。
大企業のベースアップ交渉は満額回答等、賃金の上昇を感じさせられる明るい話題も少しずつ聞こえる様になりました。「日本経済全体のデフレからの脱却」が進み、皆さんの夢の実現に投資できる経済的な余力がますます広がって行く事を切に願っております。