藤沢の家/小さな吹き抜けのある住まい @内田雄介
今週のリレーブログを担当します、内田雄介設計室の内田です。 今回は[吹き抜けが住宅にもたらす効果]を事例を交えながらご紹介をさせていただきたいと思います。
こちらは今回ご紹介させていただく「藤沢の家」です。
30代のご夫婦と小さなお子様2人の4人家族+猫1匹の住宅を計画しました。
「藤沢の家」は農地を新しく開発によって分譲された全13区画からなる住宅地の一区画なります。敷地面積は約120㎡(36坪)で建ぺい率50%、容積率80%になります。延べ床面積の最大で96㎡(29坪)となります。いわゆる東京郊外などでよく見かける4LDKの2階建て住宅が建つ建築条件付き土地(建売住宅)と同じくらいの規模感となります。
また、こちらの敷地は建築条件がありませんでしたので、13棟すべて注文住宅になります。つまり1棟1棟建てる工務店もハウスメーカーも異なる事になります。設計当初、敷地調査に伺った際にはまだ住宅が立ち並んでいない状態でしたが、近い将来住宅が立ち並ぶ中で、どのように調和を図るのか、また今後建てられる建物の影響を想定しながら、周辺環境に左右されない住宅を目指して設計を行う必要がありました。
隣地(南側)は建物によって眺望、採光は遮られる事が容易に想像できましたので、あまり方位にこだわらず、視線が抜ける方向に開こうと考えました。
幸い、西側とは2m程度の高低差があり外部からのプライバシーが保たれそうでした。そのうえ、視界も開けていて採光、通風も十分確保できそうでした。
そこで、まず敷地南西の角にオープンスペース(庭)を設け、その庭を取り囲むようにL形にリビングダイニングを配しました。
そのことで、隣地の建物を気にすることなく開放的に生活を送ることができるのではと考えました。
プライバシーが保たれるので、隣家を気にする事なく過ごせます。
また100㎡弱の住宅で部屋数を優先しますと、どうしても余裕がなくなって、ひとつの家としての一体感や安心感が生まれず、心地よさを感じることができなくなりがちです。
今回はその解決策として個室は最小限のスペースとし、その分小さな吹抜を2階のフリースペースと繋がるように設けました。
ダイニングからキッチンを見る(階段ホールの横には空が見える窓を設け、より開放感を得ることが出来る)
キッチンから階段ホールを見る(階段の下は猫のトイレスペース)
2階のフリースペースから吹き抜けを見る
2階のフリースペースから吹き抜けを見る
1階と2階がひとつ屋根の下で繋がり、小さいけれど解放感と一体感が生まれ、家族の気配を感じることができる住まいとなりました。
吹抜けの効果は小さな住宅でこそ、発揮されます。
小さくても大きな効果のある吹抜けを是非取り入れてみてください。
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