MeSquare ｜ 七島幸之 + 佐野友美

地元で創業60年を超える電気設備工事会社の社員寮のプロジェクト。

社員寮のプロジェクトでは効率優先のプランが求められがちですが、今回は全く逆の発想で、企業として働き方改革・生産性向上を推し進めるための社内環境整備の一環として、室数よりも、いつまでも住み続けたいと思われる魅力的で個性的な住空間をつくることが求められました。

また、共用部分は、居住者の自由な交流を促すワンルームのラウンジ・キッチンであるが、こちらもまた、社員食堂、子供食堂、あるいは地域の文化活動や交流の拠点、避難施設といったような、その時々の会社の状況、地域社会情勢に応じて、さまざまな施設利用形態が可能なオープンなスペースとして計画されました。

RC壁構造・2階建。
家具と居室の中間のスケールを持つ2M×2.25Mの基本モジュールが、合計24個（4行×6列）並べられた平面構成。
2階の寮室（3室）は、上記モジュール5個分もしくは6個分のインテリアと最低1個分のデッキテラスから成ります。
2M×2.25Mのモジュール内の有効寸法を稼ぐため、RC壁はシングル配筋の薄壁としています。
1階のラウンジ・キッチンはオープンなワンルーム空間ですが、上記モジュールのRC格子梁とその内側に貼られたシーソー天井（交互に傾斜の向きを変える天井）によって、この会社が扱う「交流電流」のイメージを視覚化し、エネルギーを蓄えているかのように感じられる空間を目指しました。

この施設が単なる社員寮であることを超えて、地域貢献のVisionを内包する施設であることを踏まえて、「MeSquare（ミースクエア）＝ひとりひとりの自分（ME＝目的格の自分）がイキイキと過ごせる街の広場（Square）」と名付けられました。

photo：Brian Sawazaki Photography / 澤崎信孝

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