マンションリフォームの茶室床の間火灯口の左官土塗り壁京聚楽スサ壁
お茶室という、少し特殊な場を造る職人さんたちの仕事の様子をお伝えしています。
特殊な場を造る職人さんといっても、少し前までは、家づくりに携わる職人さんたちにとっては、普通にこなしていた作業の延長線上にあったものです。
最近の家づくりでは、規格品や既製品の組立で造られていく部分が多くなってきたので、だんだん消えていった手仕事でもあります。とりわけ関東では、そうかもしれません。
今回は、左官屋さん。
茶室では、京壁、聚楽壁、スサ壁といったものが好まれます。
本来は、土の塗り壁ですが、このマンションの部屋をリフォームして造る茶室を始めとして、土を使うことは少なく、建材メーカーから販売されている下塗りのプラスターと仕上げの上塗材に変わります。
どの仕事でもそうですが、仕上げをよくするためには、下地の作り方がとても大切です。大きな面を平滑にしていくのは大変ですが、小さな面には小さな専用のコテで、気を使います。
平らな壁面はもちろん平らに押さえないといけませんが、この茶室では、床の間の入り隅を塗り回していたり、風炉のときに使う給仕口を、火灯口として、ちょっとづつですが、曲面仕上げの部分がありました。
曲線部分にも、やはり専用の鏝が必要です。
左の写真は床の間奥の塗り回し部分の下塗り、中塗りの状態です。右の写真が、この塗り回しの小さな局面を塗り納めるために使われた鏝です。
火灯口の上部の曲線と塗り回し部分には、和紙を張って納めることもありますが、ここでは和紙は張らずに、左官屋さんに仕上げてもらうこととしました。
左は、下塗りが終わったところで、局面に磨きをかけているところです。
右が、その磨かれた状態。下が、上塗までが仕上がった状態です。
なんとも綺麗な局面で塗り尽くされています。この綺麗な面に和紙を貼るのは、後々の養生ではあるのですが、もったいないですよね。
今週は、大工さんと左官屋さんのお話をしてき
マンションリフォームの茶室床の間火灯口の左官土塗り壁京聚楽スサ壁
ましたが、他にも、建具、畳、唐紙、障子に和紙、専用の金物を造る職人さんたち、などなど、たくさんの職人さんたちの丁寧な仕事がつながっていきます。
続きは、またそんな機会がありましたら。
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