新コロナ時代の間取りの工夫@幸田真一
コロナと付き合いながらの生活を意識し出して半年ほど経ちますが、帰宅後に手洗いうがいをしっかりしてという習慣は根付いてきました。もちろんコロナ以前からも当たり前のとではあったのですが、今回のコロナ騒動ではウィルスを持って帰ってきてしまっている前提で、いかに室内に持ち込まないように、玄関を入ってすぐに対策出来るのかが大切となっています。やられている方も多いとは思いますが、最も簡易な手段は、アルコール除菌を玄関カウンターなどに置き、手洗い場まで移動するまでの仮の対策をするということでしょうか。では家づくりに盛り込むにはどのような工夫があるのでしょうか、事例をあげて説明してみます。
見直される洗面台の位置
今までの家づくりで洗面の位置をメインにプランニングしていくことはそう多いケースでは無かったと思いますし、どちらかというとプライベートな水回りというものはゲストの視線に入らないように家の奥まった位置に配置されているケースも多いと思います。一方で、子供が帰ってすぐ手洗いしてくれるようにと、衛生面の意識が高いご家族の場合は以前からも玄関付近に手洗いを設けるケースもありました。
洗面脱衣所で手洗う必然性は無い
多くの場合浴室に隣接する部分に脱衣所兼用で洗濯機と並んで洗面台を置く場合が多く、またそういうものだと思っている先入観がありますが、必ずそうである必然性って無いのです。玄関や廊下、リビングにあっても自由です。
洗面と脱衣所を分ける事例
脱衣カゴや洗濯機、洗剤やハンガーで生活感の溢れる洗面所。来客が手を洗う状況になった時、ここまで踏み込まれるのをよく思わない方も多いのでしょうか。その場合は脱衣と洗面を分けるプランニングがお勧めです。ゲストも手を洗いやすくなりますし、プライベートな部分はお見せしなくて済むという一石二鳥なプランです。
洗面だけを切り離す事例
脱衣にある必然性の無い洗面台を、玄関から近い動線上に切り離して配置する方法もあります。
例えば玄関から少しだけ影になった廊下に洗面を配置した例です。帰宅後すぐに手洗いが出来ますし、こちらも生活感のある脱衣を覗かれなくて済みます。ただし、目立つ部分になるのでそれなりに生活感が出ないようにデザインすることも大切です。
洗面のタオルってすぐびしょびしょになってしまいますので、写真のようにタオルをおかずにペーパータオルを利用して、
更にクズ入れまで設けてあげるのも生活感を隠せる工夫です。
トイレの小手洗いを独立させる事例
トイレに設ける小手洗いを、トイレを出た廊下の一角に設ける例もあります。
玄関から近い動線の一角に玄関からは見えないように手軽な手洗いブースとして設けています。
こちらも毎日目に入る部分ですので、お気に入りのボウルなどをセレクトしてお店のように見せる手洗いを意識すると良いと思います。
照明もピンホールダウンライトなどを使って雰囲気を作り込むことも大切です。
まとめ
いくつかの洗面台の位置が特徴的な事例を挙げてみました。
このコロナ騒動で手洗いというタスクが重要視されている昨今、いかにストレスなく、安全で衛生的な方法を取り入れられるかが重要になっていると思います。コロナの新しい生活様式は、洗面台の位置をゼロから見直す、新しい発想も取り入れる良い機会になるのではないでしょうか。
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