NARIHIRA RECEPTION_131017 @石川 利治
今回の計画地周辺は、埋立、盛土の上に現在の街並が形成されています。これは、揺れやすさからいいますと、少し条件が厳しい(揺れやすい)範囲に含まれているといえます。地上付近は軟弱な地盤に覆われているため、地中の堅い地盤と建物を繋ぐ必要があります。建物の設計を行う時に、この土の中の状況がどうなっているかは、大変重要なポイントになります。特に今回のような重量鉄骨による中規模以上の計画では建物の重量が大きいため、地盤改良などの方法では対応が難しく、杭によって堅い地盤に建物を緊結する事が求められます。
では、どのように地面の中の様子を確認するのでしょうか?多くの場合、地盤調査を行い、地質がどのような状態かを確認します。試験には幾つか方法がありますが、今回の場合は、周辺の過去のデータから、堅い地盤(支持地盤といいます)が地下30M付近にある事が判っていました。この深さになりますと、試験としては「ボーリング調査」というものになります。今回も工事に先だって敷地の一部をお借りして、調査を行いました。支持地盤は地下33Mの位置にありました。
これを元にパートナーである構造設計事務所が今回の建物に必要な杭の設計を行いました。直径267ミリの鋼管杭が8本、地中に埋め込まれる事になりました。
杭の先端に羽根のついたスクリューパイルが用いられました。これは、杭を回転させる事によって、地中深く掘り進んでゆきます。今回は、地下33Mまで掘り進むのですが、その様な一本の長い杭は無いため,途中で繋ぎながら所定の深さまで掘り進みます。今回は5本の鋼管を溶接で繋いでいます。
支持地盤に到達するまでは杭はスムーズに掘り進んで行きました。支持地盤付近では、明らかに杭が堅いものに突き刺さる振動が伝わってきます。地盤の状態を知る速報値とボーリングデータを比較して、想定した地盤に杭が到達した事を確認できました。
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2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...