NARIHIRA RECEPTION_131217 @石川 利治

地上から打込んだ杭は、建物の地中部分(柱脚、地中梁、フーチングなど)で接続されます。そのため、杭工事が完了した時には、地上から杭の姿は見えません。杭と地中梁はフーチングと呼ばれる接続部分を介して繋がれます。さらに、この後工程では、地中梁の上に、鉄骨の柱が載って来ます。これらの取合い部分は、鉄とコンクリートという異素材が組み合わさり、力の受け渡しを行います。構造的に非常に重要度が高いため、自ずと調整、確認事項も増えてゆきます。

IMG_2812
基本は機械での掘削も、杭頭付近は手堀りの作業に・・・水位の高く、作業環境も良くはありません

地面を所定の深さまで掘り進めると打込んだ杭の頭部が見えて来ます。この杭の先端を加工して、フーチング、地中梁と定着させます。鋼管でできた杭は鉄筋コンクリートのフーチングに包まれるため、鋼管杭の先端は鉄筋が繋げられ、より定着を高める処理を行います。

IMG_2825

上部構造の鉄骨柱と地中梁は、アンカーボルトと呼ばれる太い棒状の鋼材をコンクリートの中に埋め込み定着させます。杭頭部、地中梁、アンカーボルトの各要素が組み合わさった柱脚周りは、多くの鉄筋が錯綜しますが、コンクリートの流し込み不良が起きない様に、適正な鉄筋間隔を確保する必要もあります。構造担当者の指摘もかなり細かく、且つ具体的な指摘内容が盛りこまる事になりました。

IMG_2894

鉄筋の組立てと並行して、型枠が組立てられます。こちらも、寸法、鉄筋との離れや、水平、垂直の確認、調整を行い、コンクリート打設に備えます。
打設当日は幸い天候にも恵まれました。今回の建物規模の場合、地中周りのコンクリート打設は、1日で完了しました。

IMG_2916

後日、型枠を外した状態を確認したところ、密実な良いコンクリートができ上がっていました。
様々な工程で、多くの作業員の方がしっかりとバトンを繋ぎながら作り上げて行く・・・ものを作る素晴らしさを、改めて感じる事ができました。

IMG_2964

石川利治
3*D空間創考舎一級建築士事務所

著者情報

石川 利治石川 利治

石川 利治 いしかわ としはる

3*D空間創考舎一級建築士事務所

お客様にとって「快適で上質な空間」をお話をしながら、 きめ細かく建築に盛り込みます。コミュニケーションを大切にし、 技術力と感性の統合を行い、最適なご提案を致します。

− 最新イベント情報 −

オープンハウス(完成見学会)回遊動線のあるつくばの家 3/20(祝) @石井正博+近藤民子

この度、設計事務所アーキプレイスで設計監理しました『回遊動線のあるつくばの家』(木造2階建)が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 つくば市の新旧入り交じる住宅街に建つ、3人家族のための住宅です。 リモートワークが広まり家で過ごす時間が長くなる中、ご夫婦それぞれの仕事場でもある住まいには、より快適に暮らしていけるよう、ゴロンとできる和室、本棚のあるヌック、子供と遊べる南の庭などの場所をちりばめています。 オープンハウス(完成見学会)...