地域コミュニティ施設としてのカフェ計画 @古川達也
近隣の畑で穫れた新鮮でとても美味しい野菜。一方で、形が歪だったり傷があったりして販売しにくい野菜を、廃棄せず旬の一番美味しい食べ方で調理したメニューが楽しめるカフェの設計をご依頼頂きました。既存建物の一部となるテナント工事のため、その他のスペースを通常運用しながら行う工事でしたが、建物内や近隣関係者のあたたかいご協力などに恵まれ。無事完成しオープンを迎えることが出来ましたので、ご紹介したいと思います。
プレオープン時の様子。多目的スペースがステージになり生演奏が行われました♪ 撮影:古川達也
施設概要
地域の野菜をメインの食材としたカフェ。深い軒下の屋外テラスに設けられたコーナーでは、とれたての野菜を買ってかえることも出来ます。プレハブ2階建て地上階のテナント店舗として、30年続いた八百屋さん(もとは花屋さん)のリニューアル計画です。地域でずっと親しまれてきた元の店名「花とぴあ」をHANATOPIAとして継承。同敷地内にあるデイサービス施設のお年寄りや、近隣の小中学校に通う子供たちが楽しんできた駄菓子売場コーナーをカフェ店内に残すなど、地域の歴史を受け継ぎさらに多くの世代が楽しめるよう出来るだけバリアフリーとなる施設を目指しています。そろばん塾やワークショップ、アートギャラリーとしての個展開催や演奏会、地域のママさん会など、多目的利用できる地域コミュニティ施設としてのカフェとなりました。(以下写真撮影:Brian Sawazaki Photography)
場所:横浜市緑区
店名:HANATOPIA
用途:飲食店
構造:軽量鉄骨造2階建て(1階の一部)
面積:47㎡
設計:古川都市建築計画
施工:株式会社中山建設
建物の外側は手を加えず温存。外観は以前の印象と変わらない佇まいです。建物前面は左半分が来客用駐車スペースで、右半分は子供たちのキャンプ体験などの利活用も企画していくイベント広場となります。
深い軒下のカフェ屋外テラス。客席&野菜売場&イベントスペースでもある。
屋外テラスのベンチやテーブルは、八百屋さんで野菜を並べていた台を再利用。店主の友人から不要になって譲り受けたソファーもあり、人気のスペースになりつつある。
その日の朝に近隣で収穫された新鮮な野菜を販売。子供たちや常連さんも常に訪れています。
カフェ店内の様子。奥の油絵はこの地域で生まれ育った建物オーナー自身による作品。
カフェ客席は屋外テラスと繋がる解放感がある。
出入口のある左はイベント案内黒板。右は駄菓子売りコーナー。中央は多目的スペースと繋がる可動壁。
可動壁を引き込むと小上がりの多目的スペースと客席が繋がる。個室利用やイベント時のステージにも控室としても活用出来ます。
形は歪で売れないが新鮮で美味しい地域の野菜。地域と繋がるカフェのメイン食材。
ほっと出来て誰もが笑顔になる駄菓子コーナー。30年の歴史を受け継ぎ世代をつなぐ場所です。
誰もが利用出来て楽しめるカフェ。ベビーキープ、ベビーベッド等を備えた多目的トイレを完備。
地域の子供たちの調理体験や見学にも対応できる広い厨房です。(厨房設備:タニコー株式会社)
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