見直しの住居学11 キッチンは南に計画しよう @栗原守+小泉拓也

建築家31人×3works展vol.12が新宿パークタワー1階ギャラリー3で開催中です。会期は3月9日(日)19:00までです。今回で12回目の模型展になります。会を重ねるごとにパワーアップしていますのでぜひ会場にお運びください。

さて私のリレーブログ、今日はキッチンのお話です。建築家31人の会のリーフレット第2号が本日完成しました。第2号のタイトルは「the kitchen」、キッチンをテーマにした楽しいリーフレットになっていますのでぜひお読みください。

昔は、台所といえば住まいの北側と決まっていたようです。冷蔵庫なんてなかったから野菜や食物が長持ちするように、腐らないようにと北側の涼しいところを台所にしていました。びん詰めの食品や調味料で「開封後は冷暗所に保管してください」との注意書きをよく目にすると思いますが、まさしく台所はこの冷暗所にあったわけです。

今の住まいではどうでしょうか。冷蔵庫も冷凍庫もあります。北側の寒いところにキッチンを置く理由はあまりないようです。もっと明るい暖かいところにキッチンを計画したほうがよいと思います。キッチン仕事が一番つらいのは、寒い冬の朝だと思いますが、東側のキッチンなら、朝から日があたります。日が直接あたらないにしても、明るくなる方向に向かって作業ができます。東南の一番日当たりのよい所をキッチンにした住まいもあります。天気のよい朝は、太陽の光がさんさんと入ります。誰よりも主婦が一番それを喜んでいるので、その喜びが家族にも伝わり、家族が仲良く暮らす楽しい住まいになっています。

キッチンの位置は、敷地や道路との関係、ほかの部屋の配置などさまざまな条件で決まりますで、どうしても北側や西側に計画せざるを得ない場合もあります。そのときは、流し台の近くに窓をつけるようにします。夜はともかくとして、日中は自然光のなかで野菜や食品の色を見られるような状態にしておく必要があるからです。野菜や魚や肉など、新鮮であるかないかは、蛍光灯の光よりも自然の光のほうがはっきりとわかるものです。お店で見たときはグレーだったのに、家に買って帰ったら淡いグリーンで、せっかく買った洋服なのにがっかり、といった経験のある方もいると思います。微妙な色は、照明器具の光と自然の光では違って見えることもあります。

キッチンにいる時間が長い主婦にとって、キッチンは作業場というよりも生活空間に近いと思います。だから独立したキッチンにするよりも、オープンキッチンといって、リビングの方を見ながら洗い物や調理ができるようにしたほうがよいようです。特に若い夫婦や子供が小さい世帯にはこの配置が好まれています。私の設計する住まいでもこのパターンが多くなっています。主婦または主夫が子供たちや仲間たちとの会話に参加しながらキッチン作業を続けられるというメリットがあるだけでなく、後ろが壁面になるので、冷蔵庫と大きな食器棚のスペースがとれ、キッチン回りの収納が充実するという大きなメリットもあります。

saitou01写真は南側のリビングダイニングに計画した明るい作りつけのキッチンです。

saitou650カウンター奥行きを1mにして両側から使えるようにしています。背面は大きな食器棚カウンターになっています。

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著者情報

栗原 守 + 小泉 拓也栗原 守 + 小泉 拓也

栗原 守 + 小泉 拓也 くりはらまもる こいずみたくや

一級建築士事務所 光設計

「呼吸する住まい」をテーマに自然素材と自然エネルギーを有効に利用するエコロジーな住まいを建築主さんと2人3脚で設計しています。

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