飛び級でリフォームを学ぶ_デザイン要素を濃密な細部納まりに昇華する @石川 利治
廊下の仕上げ関係は早い段階で方向性が決まった一方で、LD、寝室といった居住空間のマテリアル選定には少し時間が掛かりましたが、数度の打合せを経ておぼろげながら各部位の仕上げが揃って来ました。LDに関しては、窓外の絶景とオーディオ機器の存在感をより際立たせると共に、壁量がそれほど多くないこともありプレーンな白色のクロスで仕上げることになりました。一方で寝室はスチール枠のガラス間仕切りでLDと仕切られているため、より落ち着きのある別の空間としての作り込みがされてゆきました。深め目の色調で仕上げ材を選び、より柔らかさや温かみを感じられる素材を集め、LDとのシーン切り替えを行うことになりました。インテリア全体の色調を整えながら差し色となる素材を加えるなどマテリアル選びは続きます。
更新中の図面に加筆・修正を加えながら間接照明や床埋込照明など、内装に組みこむ照明の計画も進めてゆきます。同時に展開図も作図を進めました。
平面図を更新しつつ打合せ内容を加筆中
廊下展開図で扉把手金物サイズに合わせてタイル割を再現 目地を通すデザインとしている
廊下のタイルは同柄の艶有、艶無でパターン割を行い、タイルの小口は小型のL型金物で抑えるなど細かな納まりに気を配ります。タイルの角を保護して耐久性を上げると共に、光沢のある異素材が入ることで、より繊細なディテールとなりました。
隣接する扉の把手のラインをタイル目地と合わせるなど細かな寸法を現場と相談しながら決めてゆきました。扉にはタイルと同面に納めるために、枠の召し合わせ部にしゃくりを入れるなど原寸図で指示してゆきました。
フラットハンドルの把手金物 金物サイズに合わせて目地をデザイン タイル目地へと続くように寸法を定めている
左官壁が床、天井と取り合う部分はアルミ見切りを回して縁を切るディテールとしました。今回の左官塗厚は3ミリということで、折り返しのある十手形状を選んでいます。
左官壁の展開図
床取合い部にアルミ見切りを使用 扉枠は左官を塗り回すためボードと面一納まりとしている
天井に関しては、音響を整えるため吸音材を張ることになりました。併せて、プロジェクターによる映像もミックスすることになりましたが、天井高さに制限があるためできるだけ小型の機種を選びながら、最大のスクリーンサイズを検討し、最終的には120インチを目指すことになりました。窓際の天井内にスクリーンボックスを取り付ける必要があったのですが、既存の天井カセット型の空調機と干渉するため、位置移動を行うなど、施工者さんが何とか所定の位置に納めてくれました。
プロジェクター機種と取り付け高さおよびスクリーンサイズの検討
LDの床タイルの張り込みも進んでゆき、次工程の左官工事を受け入れる態勢が整いつつあります。
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