飛び級でリフォームを学ぶ_空間に様々なマテリアルを織り込む @石川 利治
現地確認調査を進めながら、早い段階で各部位をどの様なマテリアルで構成してゆくかの打合せを行いました。お客様は本計画地から徒歩圏内に職場をお持ちであることから、自宅利用と併せてビジネスでのお招きをすることも想定されておりました。どちらかというと、生活感はあまり感じさせない様な素材感で構成してゆくことも念頭にマテリアル選び進めてゆきました。
特に床材に関しては早くから大判タイルで行うという方向性が固まり、具体的な品目の選定に注力する事になりました。一方、寝室に関してはあまりハードな素材ではなくフローリングで進めることになりましたが、素材・色に関しては室内空間の全体の中で選定してゆくことになりました。本計画の肝である曲面壁は小割りのタイルやクロスなどの議論もありましたが、より手仕事感が残るような左官をお薦めすることになり、具体的なサンプルをご提示することになりました。この左官壁は廊下からLDへと続き曲がりも加えると7M近くの長さがあります。玄関を入りすぐに視界に飛び込む印象的な部位となるため、特別な存在感を意識した素材選びを進めることになりました。また、左官壁と向き合う壁はタイル張りをお薦めすることになりました。こちらはよりフラットで洗練された素材感を持ち込んで向かい合う壁面の対比を生み出しつつ左官の手仕事感を際だたせ、尚且つ存在感としては負けないマテリアルで空間の質が高められることを意図しています。
初期のスケッチを受けて、もう少しハードなラインで平面構成の確認を進めつつ、間取りを調整してゆきあました。同時に立体的な空間構成要素の取り合いがわかる様にCGを作成し、左官壁と床タイルを中心に色と柄のバリエーションで比較検討を進めました。
左官壁は金属系の輝きをもった材料で進めることになりました。CG手前に描かれている不思議な形状をしたオブジェはお客様がお持ちの超高級スピーカーになります。ご自宅に伺った折にオーディオセットを拝聴させて頂きました。多くのアナログ盤をコレクションされており、プレイヤー、アンプ、ケーブル、電源に到るまでの徹底ぶりを窺い知る事ができました。ご新居でも最高の音が聴けるように注力することになりました。
後日、金属系の左官と併せて、床タイルは白系で進める方向性を頂き、改めてマテリアル確認を行いました。フローリングは濃い色目(ウォールナット)で進めることになりました。
同時に現場は解体がスタートしました。床、壁、天井といった内装材が撤去され、下地の様子や設備の納まり状況など図面では判らない事が明確になり始めました。あらたに解決しなければならないことを見定めつつ、作図を進めることになりました。
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