飛び級でリフォームを学ぶ_プレミアムリフォームの世界へようこそ @石川 利治
今週のリレーブログを担当する石川利治です。弊社では新築の設計・監理を主に行ってきましたが、昨年から今年にかけてマンションリフォーム案件のご縁を頂きました。特に今回はプレミアムマンションリフォームの第一人者であるカガミ建築計画の各務さんとのコラボレーションというありがたい経験をさせて頂きましたので、どの様にプロジェクトが進行したかを綴ってゆこうと思います。既に各務さんのブログでも本プロジェクトの投稿は進んでおりますので、併せてご覧いただけますと判りやすいと思います。それでは1週間、宜しくお願い致します。
各務さんは大学時代を同じ研究室で学んだ1年後輩にあたります。特に大学院在籍時に多く接する機会がありました。当時は研究室全体で京都駅の設計競技を行っており、寝食を共にした仲間です。早稲田大学を修了後、ハーバード大学大学院を経てニューヨークの設計事務所で修行された後に帰国され、事務所を構えられました。早くから高級マンションリフォームを手掛けられており、都内中心部に多数の実績をお持ちです。
今回のプロジェクトは赤坂地区のタワーマンションをご購入されたお客様が各務さんにお問い合わせを頂いた所からスタートいたしました。その時期のカガミ建築計画さんは大変に忙しい状況であったため協力事務所を探しておられ、計画地から至近にある弊社事務所を思い出してくれたとのこと。最初に非常にタイトなスケジュールというのは伺ったのですが、新しいことを学べる機会になると思い、二つ返事でお受けする事にしました。
計画の初期スケッチ カーブを描く壁は幾重にも線が重ねられている
本プロジェクトの住戸は、地区再開発で建てられた三角柱状のタワーマンションの角部屋にあたります。特にコーナー部に位置するLDは芝方面から六本木、青山方面の港区全域を見渡せるパノラマ状の眺望が目の前に広がる稀有な空間です。弊社にお話を頂いた時には、概ねのプランニングの骨子はできていました。建物形状に呼応した曲線を描く各務さんのスケッチは「岬の突端感」という表現をされていましたが、この特徴的な間仕切り壁に深い思い入れを込めた様に幾重にも線が重ねられていることを感じました。それとともに、お客様の生活スタイルに合わせて部屋数を減らし、LDを大きくとる間取りが、素晴らしい眺望をより活かし窓外の風景に身をゆだねる様な空間ができあがることが予想されました。
マンション内の共用廊下は照度がかなり抑えられており、ダークグレーのカーペットと相まって暗がりの中を移動する印象ですが、玄関を開けると窓からの光が室内廊下まで届き、シーンが一変します。廊下とLDを仕切る扉は現況でも光の透過するものでしたが、今回の計画でもそのあたりは踏襲しています。さらに透明ガラスとする事で廊下突き当たりに明るく広がりのある様子を少し垣間見せる事により、その先の空間への期待感を高めることが意図されています。
LDから廊下側の見返し 廊下左側の壁は解体されLDが拡張される予定
寝室とLDはガラス間仕切りとし室内の奥行き方向への広がり感を高めたいというご意向は、お客様からお示し頂いたおりましたので、LD入口扉と一体のデザインで空間を整理しつつ統一感を持たせる事が重要になりました。
既存の水回りは現状を活かしながらポイントを抑えて手を加えてゆく
水回りはできる限り現状を活かす方向で進めることになり、工期短縮と集中的に手を加える箇所のメリハリをつけることで計画を進める事になりました。
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