間接照明が演出する 「光」 のクリニック @田中功一+佐藤美欧

昨年末に完成したクリニックです。

計画地は、赤坂の高層ビルの最上階で、既存のオフィスを、約400㎡で区画して、
再生医療のための培養室を備えた、美容クリニックに、コンバージョンしました。

↑アプローチ。

↑エントランスホール。 左の丸窓内は、再生医療のための培養室です。

この地域は、皇居、赤坂御所、日本の主要な官公庁に囲まれていることもあって、
高層ビルともなれば、緑多くの景色が眺望できる環境です。

建物は、オフィス仕様で、システム化されており、安易に変更が出来ず、様々な工夫が必要でした。

空調・換気設備は、僅かな増設だけで、手術室、再生医療のための培養室は、
クリーンルームの性能を満たす必要がありました。
また、最新の医療設備機器のために、電気容量の増量、消防設備の追加などには、
かなり苦慮しました。

トイレは、排水経路が確保できないため、共用のトイレを利用して頂くことにして、
パウダールームのみ、ポンプアップで排水することにしました。

高層ビルは、コンバージョンすることを前提とされていなく、
SDGsと言われる中、都心には同じような高層ビルが、膨大にあることは複雑な気持ちです。

デザインの制約も多く、変更が難しい既存のグリット天井は、壁の上部に間接照明を仕込み、
照度を強めにすることによって、グリット天井をハレーションで消し去り、
かつ、空間に立体感が出ないかと試行錯誤しました。

なんとか、オフィスの余韻は消すことが出来たのではないかと思っています。

↑エントランスホール

↑ラウンジ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑パウダールーム1、2

著者情報

田中功一+佐藤美欧田中功一+佐藤美欧

田中功一+佐藤美欧 たなかこういち さとうみお

一級建築士事務所378A

私たちは、お客様の「夢」の実現。土地、法規制、コスト等の様々な「条件」の解決に挑んできました。 難しい条件を「逆手」に取り、かえって魅力的になった建物もあります。 私たちは、難問を「解決」するだけではなく「活かす」という視点から発想していきます。

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