31会での家づくりーひなたの家〜実施設計・ディテール編〜 @七島幸之+佐野友美
今週のリレーブログを担当しています、アトリエハコ建築設計事務所です。
もうすぐ完成する住宅「ひなたの家」
〜実施設計・ディテール編〜
ひなたの家の敷地は面積約13坪の狭小地ですが、その間口は約3.8M、奥行は約11.2Mとなります。
比較的密集した住宅地ということもあり、左右両隣とも隣地境界線からの離れは民法で規定する50cmに満たない寸法でした。
そこで、建物の配置の検討にあたって、50cmという寸法にはこだわらず、両隣建物と同等の離隔距離を確保する考え方で、
建物の平面寸法を決定しました。
そうやって確保できた建物の幅は、柱芯〜柱芯で3000、室内の有効幅で2870。
前回のブログでご説明した1階プランの試行錯誤は、この寸法を踏まえたものでした。
さて、ひなたの家の2階は天井高さを最大限に確保した、おおらかなワンルーム空間。
中央の階段を挟んで、道路側南側にリビングとその外側にテラス、道路から奥の北側にダイニングキッチンとなります。
リビングの床下に蔵収納を収めている関係で、リビングがダイニングキッチンから1365mm高くなっています。
中央に階段を配しているため、いわゆる廊下の無い、無駄なスペースの無いプランとなってはいますが、
それでも、リビング4.7畳、ダイニングキッチン8畳という広さ。
天井高さがかなり大きく確保できましたので、空間の快適さという点では問題ないのですが、
使い勝手を踏まえた部屋の設えという点では、プランニングに慎重を要するところ。
特に北側のダイニングキッチン、幅2870・奥行4320の約8畳のスペース。
お施主さんが所有されているテーブル・チェアを手前に配置して、奥にキッチンを設えようとすると、
納まるキッチンカウンターの幅は、2870から通路幅を除いた残りの寸法=約2050となり、
いわゆるシステムキッチンの既製サイズ(w2400など)では収まらず、空間をうまく使えません。
そこで、キッチンカウンター・キッチン背面収納とも、完全に特注のフルオーダーとして、詳細に検討。
カウンターはステンレスバイブレーション仕上げのシンク一体型、キッチンの腰壁はフレキシブルボードのザックリした質感、
お施主さまがご要望されるガスコンロ・オイルガードやシンク、水栓器具、食器洗い機などがピッタリ納まるようにしました。
また、それぞれの引き出しの幅・高さ・奥行寸法も全て、お施主さまの収納イメージに応じたカタチに設えて、背面収納も
ご購入予定の冷蔵庫やお気に入りのゴミ箱などがピッタリ納まる寸法に。
ダイニングテーブル上部に吊るすペンダントライトについても、食事をする時に適切な高さとなるコードの長さを検討したり、
とにかく、寸法に関して、一切の妥協を排して検討を行いました。
続く。
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