それぞれの家の設計において考えたこと/カドノイエ @菰田真志+菰田晶

今週のリレーブログ担当の菰田建築設計事務所の菰田真志(こもだまさし)です。
今回は過去の仕事を振り返って、それぞれの家の設計において考えたことを書いてゆこうと思います。

二軒目は カドノイエ です。

カドノイエ10年目
昨年終わった10年目の外壁塗装終了時の写真
竣工後に植えたハナミズキの成長が年月の流れを感じさせます。

カドノイエ 外観
竣工当時の外観

この家は我々が独立後はじめて手掛けた新築住宅です。
この家は当時流行っていたネットコンペに参加して獲得した家という、自分たちの中でも思い出深い家です。

ネットコンペというだけあって、施主の希望ははっきりしていました。
敷地は都内の主要駅からほど近い住宅街と商業地域の境目に面し、人通りの多い場所です。

一階に大きな窓をあけても普段はカーテンを開けることもできないし、防犯的にも心配があるので一階は囲われた部分以外は大きく開かず、代わりに大きな吹抜から光が入るように考えました。

カドノイエ02
吹抜を通しておちる光

カドノイエ08
吹抜を通しておちる光
右側に見えるのは3畳の小上がり

カドノイエ31
小上がりから見る

来客の多いというこのご家庭の動線は玄関から遠くなるほどプライバシーの重要度があがるように計画し、玄関周りのある一階で来客等の動線をすべて賄うように考えています。
大きめの玄関や玄関近くのトイレ等の水回り、吹抜のあるLDK。不意の来客でもプライバシーは守れるような配慮です。

カドノイエ36
玄関と奥の玄関収納

先にも述べた通り、ネットコンペで出会った施主さん。
かなり希望がはっきりとして整理されていました。

望外にもコンペを取ることができ、その後はほとんどコンペ案から修正のないまま設計が進み竣工したこともあって、我々にとってより思い出深い建物になっています。

施主にヒアリングをしたときに、我々が要望等を整理をしながら提案してゆく事が多いですが、施主の中でいろいろなことがすでに整理ができていることもあります。
そういった場合には、よく話を聞きながらその施主の考えているストーリーを尊重しつつ、何かをちょっと足してゆくようなことをがんがえています。

我々が設計者として絡むことで生まれること。
そんなことを考えた家です。

(有)菰田建築設計事務所 菰田真志+菰田晶
HP http://www.archi-komo.co.jp

著者情報

菰田 真志 + 菰田 晶菰田 真志 + 菰田 晶

菰田 真志 + 菰田 晶 こもだまさし こもだあき

有限会社 菰田建築設計事務所

毎日を心地よく機能的に暮らせる建物。 街に調和しながら趣のある建物。 思わずニンマリ微笑んでしまう建物。 わくわくする建物。 そんな建物を生活スタイルや価値観を伺いながらひとつひとつ創ってゆきます。

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