それぞれの家の設計において考えたこと/太田窪の家 @菰田真志+菰田晶

今週のリレーブログ担当の菰田建築設計事務所の菰田真志(こもだまさし)です。
お盆休みを挟んで二週目になります。
今回は過去の仕事を振り返って、それぞれの家の設計において考えたことを書いてゆこうと思います。

三軒目は 太田窪の家 です。

太田窪の家01
西側から見る外観

この写真は

建物の西側から見た外観写真になります。
西と東側は建物が隣接していませんが、写真右側の南側隣家はかなり境界際に建っています。
敷地の道路付けは北側で、駐車スペースの希望もあることからある程度道路からのスペースも必要でした。

プランを考える中で南側に庭を取る案もありましたが、冬場はほぼ日の当たらない庭になって余り効果がないものになると判断をして、あえて南側に建物を寄せています。
そのかわり隣の家の屋根越しの光を取り入れるプランを考えました。

太田窪の家02
バルコニーに面したハイサイドライト

外観写真右側の二階バルコニー越しに光を取り入れています。

太田窪の家06
二階リビングからみたハイサイドライト
※窓の向こうに見えるのは隣の家の屋根

ハイサイドライトから取り入れた光は天井や壁を照らし、室内を明るく照らします。
また、室内の床が一部分すのこ状にしていることで、ここを通して一階まで間接光ですが光が落ちてゆきます。

太田窪の家05  太田窪の家04
すのこ床                 すのこ床と螺旋階段の見上げ

太田窪の家03
一階の東西を貫く土間

すのこ床の下(1階)は土間になっています。
ここは玄関からつながる土間でここまで土足で入ってくる空間です。
すのこ床を通じて一階の土間とリビング空間、ハイサイドライトまで上下が繋がり、光と空気がつながっています。

冬場は一階で暖房をすると二階まで一体で暖房されます。
また、夏に一階と二階の上下で窓を開けると、すのこ床に置いた新聞紙がふわっと持ち上がるくらいに上下の空気が入れ替わり、換気の効果も持っています。

一階が土間になっている理由は建主さんの最初からの希望である、自転車を室内で保管したいい、ちょっとした作業をする空間があるとうれしいという希望を叶える空間にもなっています。

この家で考えたこと。敷地の悪条件をクリアすること、建主の希望を叶えること。その2つを一階の土間・二階のすのこ床・ハイサイドライトという上下のつながりで解決しました。

この土地だからこの建主だからこその家になった計画です。

(有)菰田建築設計事務所 菰田真志+菰田晶
HP http://www.archi-komo.co.jp

著者情報

菰田 真志 + 菰田 晶菰田 真志 + 菰田 晶

菰田 真志 + 菰田 晶 こもだまさし こもだあき

有限会社 菰田建築設計事務所

毎日を心地よく機能的に暮らせる建物。 街に調和しながら趣のある建物。 思わずニンマリ微笑んでしまう建物。 わくわくする建物。 そんな建物を生活スタイルや価値観を伺いながらひとつひとつ創ってゆきます。

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