間接照明を住まいの明りに取り入れてみよう! @石井正博+近藤民子
今週の “リレーブログ” を担当します、設計事務所アーキプレイスの石井正博+近藤民子です。
住まいの中の照明は、単に明るさを得る道具の時代から、生活をより豊かにする道具に進化してきました。
今回のリレーブログでは、近年、注目が高まっている間接照明(建築化照明)の事例を場所ごとに紹介します。家づくりやリノベーションにおいて照明計画や器具選びの参考にしていただけると幸いです。
【1】玄関の間接照明
左:玄関の下足入れ収納の下に間接照明を入れた事例。床から浮かせた吊り階段の下や下足収納の下は、天井からのダウンライトだけでは暗がりとなるため、下足収納の下に間接照明を入れることで床面を明るく照らし、玄関に広がり与えています。
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右:玄関ホールのインテリアを彩る間接照明の事例。ガラスモザイクタイル貼りのカウンター面と足下に間接照明を組み込んだ下足収納が、直接光を当てたアイアンワークやステンドグラスとともに玄関に彩りを与えています。
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玄関の下足エリアと上履きエリアの境に入れた間接照明。上下足エリアともに同じ大判タイルで仕上げた玄関ホールでは、床段差部分をさりげなく目立たせるとともに、下足側の床面を照らす柔らかな間接照明の光が人を迎えてくれます。
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【2】リビングの間接照明
リビングの大きな壁面を照らすコーニス照明。板張り天井と大きな壁面にの境に入れた間接照明によって、ソファの背面壁に明かりのグラデーションが生まれ、寛ぎの空間は柔らかく照らしだされます。
>>室内化したテラスを持つ家
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リビングの板張りの傾斜天井を照らすコーブ照明。ワークスペースの収納やキッチン家具の上部に組み入れた間接照明は、レッドシダーを張った傾斜天井をオレンジ色で引き立てるとともに、家族が集まる場所を暖かな明るい光で包み込むようの照らします。
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窓上部のハニカムスクリーンボックスを利用した間接照明。中庭に面した掃き出し窓のハニカムスクリーンボックスに組み入れた間接照明が、上部の壁面と天井を照らし、空間に広がりを与える共に日中とは違う夜のインテリアを演出します。
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【3】ダイニングキッチンの間接照明
キッチン収納家具の上に設置した間接照明。ダイニングテーブルとキッチンカウンターはダウンライトの上からの直接光で照らすと同時に、板張りとした天井面を家具上部の間接照明で柔らかく照らすことで、天井の高いダイニングキッチンスペースに変化と奥行きのある広がりを与えています。
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キッチン収納家具の上部に組み入れた間接照明。奥行きの大きいキッチン家電収納と天井との約40センチの隙間に生まれる柔らかな光のボリュームが、水平方向の広がりを生み出すとともに、リビングや中庭からの視線を優しく受け止めるアイストップにもなっています。
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【4】和室の間接照明
和室の障子窓の上部壁に設けた間接照明。小上がりの和室は3階にあるため、落下防止の手すりを外側の窓サッシと内側の障子の間に設けるために窓側の壁厚を少し厚くしています。この厚い壁を利用して上部に組み入れた間接照明の光は、照明器具のないスッキリした白い天井にバウンドして、やさしい光で和室を照らします。
>>独立した二世帯が集う家
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【5】パウダールーム、洗面スペース、トイレの間接照明
パウダールームの鏡の四周に組み入れた間接照明。木目を生かして白く塗装されたフレームに入った鏡が壁面から浮かび上がり、お客様をもてなすホテルライクなパウダールームを彩ります。四周に広がる光が途切れないように、家具の大きさに合わせてコーナーいっぱいまで器具を入れて、壁側に向けた光をバウンドさせています。
>>都会のオアシス中庭のある家
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左:洗面コーナーの手元と天井を照らす間接照明。三面鏡収納の上下に組み入れた間接照明の光が、お気に入りのガラスモザイクタイルを貼った壁面にきらめきを与え、通路の突き当たりにある洗面コーナーの華やかさを演出します。
>>風と光と暮らす家
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右:トイレの中の収納や天井の間接照明。毎日使うトイレの小さな空間にも、家具の下や天井などに間接照明を組み入れることで、小さいスペースならではの彩りを加えることができます。
>>東京タワーと桜の見える家
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【6】寝室の間接照明
寝室のヘッドボードに組み込んだ間接照明。安らかな眠りのためには、直接目に入るダウンライトのような強い光は避けたい寝室。高さ1m程度のヘッドボードの上部の照明により、壁面にはグラデーションのある明るさが生まれ、天井もやさしい光で照らされます。間接照明を入れたいれたBOXには埃が入らないように半透明のアクリル板で蓋をしています。
>>都会のオアシス中庭のある家
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【7】テレビボードなどの家具に組み込む間接照明
リビングのテレビボードに組み入れた間接照明。テレビボートのカウンターの壁際に照明ボックスを組み込み、ガラスで蓋をした中に照明を入れてテレビ背面壁を照らしています。光の強さはライトコントロールで調整します。
>>木立に佇む家
>>設計・工事経過ブログ 木立に佇む家
テレビボードの下を照らす間接照明。床から浮いているように壁に取り付けたテレビボードの下を間接照明で照らすことで、床に広がりを生み出すと同時に、リビングのアクセントにもなっている浮いた家具を光により強調しています。
>>囲んだテラスに開いた2階リビングの家
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照明は、電球や蛍光灯の器具からLEDの器具に切り替わり、器具の種類は増え、サイズは小さくなり、光の色や明るさの選択肢も広がりました。間接照明用の器具も豊富になり、空間の広さや、設置スペースの大きさ、求める光の質や色に合わせて器具を選ぶこともできるようになりました。空間に広がりや安らぎ与え、生活に彩りを添える間接照明を、住まいに取り入れてみてはいかがでしょうか。
設計事務所アーキプレイスでは、石井正博と近藤民子の男女ペアの視点を活かして、暮らし易さと(光と風、家事動線、収納など)とデザインのバランスのとれた心地よい住まいをご提案しています。
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「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...