コンクリート試験練り @小林眞人

『コンクリート試験練り』初めて聞く言葉かもしれません。
コンクリートの性能(強度や粘性などの特徴)を確認するため、実際の配合率でコンクリートを練って、目的に合わせた各種試験を生コン工場において実施することです。
コンクリートはセメントと水と骨材(砂や砂利あるいは砕石など)を混ぜ合わせつくります 。
(RC造の解説 はHP内の建築家事例 RC造 のはじめに掲載してありますのでそちらをご覧下さい)

同強度、同配合のコンクリートであっても使用する骨材によりその性能は大きく異なります。
骨材の種類や大きさだけでなくその産地により性能に違いがあります。
コンクリート強度自体は各生コンクリート工場が自社で使用する材料等の特性を基に配合計画書を作成するのですが、試験時はその配合率を30Lのコンクリートに換算してコンクリートを作ります。

その場で粘り・内包される空気量・塩分量などをチェックし、円筒状の破壊用サンプルは1週間後と4週間後に破壊試験をして強度チェックをします。

↑先日行った試験練の配合表  計量値をひとつずつチェック後に練り合わせます


↑練り合わせる機械の形式はプラントにより違っています

↑試験練での試験結果 と 後日の破壊試験用サンプル

近年では製造にあたってコンピューター管理をするプラントが増え、公共工事でもこれを省略するケースもある様ですが、プラントの管理体制を施工会社と一緒に把握し、一発勝負のコンクリート打設に備える必要からも省略すべきものではないと思っています。

また、コンクリート打ち放しの建物の場合は、コンクリートの色味や質も大切な要素になるので、打設前にその特性を把握し、打設時に生かすという目的を持っています。

実は使用するセメントがどの会社のものなのか、骨材がどんなものなのか、によってコンクリートの色味が違ってきます。先日試験練りを行ったプラントでは使用セメントがMU社のものとの事なので、経験上かなり白っぽいコンクリートになるという予測は立つのですが、工場内にある過去のサンプルを探して貰えたので、ゼネコンの方にも実際に目で見て確認して貰えたのはとても有難かったです。


↑破壊試験の為のサンプル

著者情報

小林 眞人小林 眞人

小林 眞人 こばやし まひと

株式会社 小林真人建築アトリエ

『バランス感』と『素材感』を大切にした建築を心がけています。 全体とディテール、都市との関係、実用と芸術・・・ シチュエーションに応じて取るべきバランス点を見極めたいという思いです。

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