建設費用コストダウンテクニック(2)@小林 武

前回に引き続き施工費のコストダウンについて書きたいと思います。

 

◆構造をシンプルにする事。

構造と聞くと難しい話に感じるかもしれませんが、いわゆる間取りをシンプルに、という事です。木造で説明すると910ミリグリッドで壁の位置を考えるだけで合板などの無駄が省け構造部材も少なくすることが可能です。

せっかくの注文建築で、シンプルな間取りだと建売と変わらなくなってしまうと感じられるかもしれませんが、最大公約数的な考えの建売と、クライアントの希望を聞きながら我々が考える家はまったく違う間取りとなります。

 

◆面積を縮小させる。

家を小さくすると聞くと拒絶される方が多いのですが、例えばLDK20帖を18帖にすると1坪分安くなります。御予算から逆算して計画スタートしますが、仕様によってコストアップしてしまい、どうしても仕様を下げる事が出来ない場合にはこの手法は大きな減額につながります。

 

◆工事種目を少なくする。

工事種目を少なくすればそれだけ協力会社の経費が削減できる事につながります。例えばバルコニーを無くす事でFRP防水工事を無くす事ができたりします。世の中に外壁サイディングが増えたのも左官工事を無くすという理由があります。こんな事を書くと防水屋さんや左官屋さんに怒られてしまいますが、、、

 

◆施工会社の選定について

施工会社の利益率は工務店ごとで大きく違います。大きな工務店は広告やショールームに多額な費用を掛けていますので当然ですが利益率を高く設定しています。しかし、購買力は優れている傾向があります。その為、標準品に定めている製品のコストパフォーマンスは良いのですが融通が利きにくい傾向があります。建築家に設計依頼される場合は大体3社程度見積をしてもらい内容を確認して施工会社選定を行いますので、競争原理が働き各社企業努力された金額提示となりますのでクライアントに大きなメリットがあります。

 

まとめ

不安になる施工費用ですが、建築家を頼ってみては如何でしょうか?

著者情報

小林 武小林 武

小林 武 こばやし たけし

KOB建築設計事務所

たまには空を見上げませんか?たまには逆立ちしませんか? お気に入りの靴を履いて出掛ける時って少し気分がスゥーっとして気持良くなる事があります。 些細な事かもしれませんが,こんな[何と無く良いね]を常に考えて建築設計をしています。 この何と無く良いねと建物にかける費用は必ずしも比例しません。比例するとしたらその行為に関わる人たち(顧客・設計者・監理者・施工者)の発想や情熱また努力だと思います。 その中で私たちKOBは機能性・安全性・設計者の立場の独立性をまず第一に考え,それから一歩先にある心地よさや感動を求めて一つずつ丁寧に考えて皆様の期待に応えていきたいと思います。

− 最新イベント情報 −

「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守

「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...