不動産広告や資料のみかた その1 @小林眞人

住宅を建てるのに、土地探しから始める場合なかなか大変です。

ともすると単純に「場所」と「面積」と「価格」だけで判断してしまう事もあるのではないでしょうか?

実は同じエリアの同じ面積の土地だとしても、土地の形や方位、あるいは道路の方向が

違えば全く建てられるものが変わってしまいます。

また土地代以外に大きなお金がかかってしまう土地もあります。

そんな訳で土地探しの段階からご依頼頂きご一緒する事も多いのですが、

そういう場合でも最初いくつかの候補の土地で、建てられる建物の概要や長所・短所などを

整理してご説明して行くと、ご自分たちである程度土地の判断ができる様になってくるものです。

Aさんの場合も、数ヶ月いくつか土地を一緒にみたのですが、その後パタリと連絡が無くなり、

ある日突然 「これかな?って土地が見つかったのですが、どうでしょうか 見て頂けますか?」

と連絡があり、実際にその土地で決定しお家を建てる事になりました。

パタリと連絡が無くなった間は、やはりご自分たちだけでかなりの土地をご覧になった

との事でした。

 

今回まずは 不動産広告の事例をみながら、広告や資料のみるべきポイントの基礎をご説明したいと思います。

事例:1 こんな感じの不動産広告をよく見ると思います

広告全体としてはまず   場所・面積・価格  をみて資料を読み込むかどうかを判断します。

可能性がある・興味がある とすると次に読み込む必要があるのが 下の方に小さな文字である データ部分で

ここが非常に大切な部分になります。

 

↓その部分の拡大です

 

①用途地域/第一種中高層住居専用地域

住居専用地域とあります、住宅地として良好な環境を保とうという地域ですから

純粋な住環境としては良いエリアという事になりますが

一般的に建ぺい率・容積率が低く設定され 住宅以外の用途も制限を受けるので

特に住宅にお店や教室などを併設しようとする場合、その内容や規模の制限を受けるので

そういう計画の場合は要注意です。

第一種低層住居専用地域となりますと、さらに住環境を厳しく守るエリアですから

建ぺい率40% 容積率80% といった制限の厳しいところや

敷地境界や道路境界から壁面のセットバックを規定している場所などもあるのです。

②土地/102.24㎡(92坪)

登記上の土地面積と実測面積(実態面積)は必ずしも一致しませんので

資料が示しているのは何の面積なのか?測量データなどがあり確定しているものなのか

どうか確認する必要があります。

また、この土地の場合は全面道路が4mよりも幅員が大きいので問題ありませんが

4mより狭い場合は道路が4mになる様に道路側は境界線をセットバックして考える

義務があり、そのセットバック分は所有権には含まれるものの 建物を建てるための

法的な敷地面積からは除外されるのでこの点も要注意です。

③建ぺい率/60%

ざっくりと言うと建物の投影面積を建ぺい率と言います。

④容積率/200%

建物全体の面積の制限です。

前述の建ぺい率60%の建物が総2階だとすると120% 総3階だとすると180%と

いうことになります。

実は全面道路が8m未満の場合、道路幅員✕0.4✕100=A  決められた容積率かAの

どちらか小さい方が建物を建てられる容積率 となるので⑤の幅員は重要です。

このケースの場合 幅員5.12✕0.4✕100=204.8%>200% なので容積率は200%ですが

もし道路幅が4mだとすると4✕0.4✕100=160%なので容積率は160%となる訳です。

⑤接道/南東側幅員約5.12m

全面道路の幅員は宅地の開放性・印象・格や生活の利便に影響し

4mを割る場合②の実面積にも影響します。

また駐車場を設ける場合は幅員だけでなく敷地に対して道路が直角なのかそうでないのか?

ついでに言うと不動産資料には出てきませんから現地を確認する必要が

あるのは電柱や標識の位置です。

⑥現況/古屋有

現状建物が建っているという意味ですが

売買条件で曖昧な事が多いので確認が必要なのは、この古屋が建ったままで

引き渡されるという事なのか

それまでには建物を解体して引き渡されるのか?

要は現状建物の解体費がどちらの負担になるかが変わってきますし

ここをどうするかを含めて価格交渉をする事も多くなってきます。

近年、廃棄物の規制が厳しくなるとともに解体費用も上昇していますから

大きな問題です。

⑦引渡し/令和4年6月予定

⑥とも関連してきます。

 

 

この広告に表示されておらず、本来表示して欲しい大きな要素は

防火指定高度地区(地方によっては斜線制限) というものになります

防火指定により密集地や幹線道路沿いの火災被害を広げないのが趣旨になのですが

指定内容により、燃えにくい建物の構造や仕様が規定されます。

建物の面積や階数でその制限内容が変わりますが、技術と法規の変化により

防火地域でも一定の防火性能を持った木造建物が可能になりました。

また2019年の法改正により防火地域だけでなく、準防火地域も燃えにくい建物(準耐火以上)

にすることで③の建ぺい率が10%緩和され、今回の土地の場合は70%まで建てることができる様になりました。

 

高度地区は高さに関する制限ですから建てられる建物の高さはこの制限で決まってきます

ただ、この規定は全国で統一されたものではなく、各行政庁単位で内容が違っていますので

それぞれ調べる必要があります。

著者情報

小林 眞人小林 眞人

小林 眞人 こばやし まひと

株式会社 小林真人建築アトリエ

『バランス感』と『素材感』を大切にした建築を心がけています。 全体とディテール、都市との関係、実用と芸術・・・ シチュエーションに応じて取るべきバランス点を見極めたいという思いです。

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