自由が丘賃貸集合住宅計画の地盤調査支持地盤杭工事監理

設計時に行っていた地盤調査から、今回の敷地の支持層は地表から概ね10mの深さである事は確認しておりました。地下階を設ける事から、基礎梁の底が概ね地表から3m程度であるため、杭の長さとしては約7mで設計を行っておりました。

杭工事の1本目は、試験杭といって、工事監理者(多くの場合は設計者)が立合いの元、杭の打設を行います。今回の杭は鋼管杭で先端に羽根のついたもので、以前にご紹介したNARIHIRA RECEPTIONと同じ形式です。杭を回転させながら地中にねじ込み、打設してゆきます。その時に支持層(堅い地盤)に到達した際には、回転させるため抵抗値が上がるため、より電力を使う事になり、それをデータとして記録しています。現在、社会問題になっている杭のデータ改ざんの件は、この記録が適正に取られていなかった事がクローズアップされています。

実は、今回の試験杭の折には、想定していた杭長では支持地盤への到達を確認する事ができず、その事への対処が求められました。地盤調査を行ってはおりますが、地面の中の状態を敷地全体で完全に把握する事は実質的には不可能なため、今回の様な不測の事態が起こる事はままあります。設計者を含め工事関係者としては、支持地盤に到達していない状態で建物を作る訳には行きませんので、杭の延長を行う必要がありますが、当然そこには追加の費用と時間が掛かる訳で、お施主様のご理解が何よりも欠く事ができません。今回は迅速なご判断と工事を前に進める事を第一にお考え頂き、工事期間への影響も最小限に納める事ができました。最終的には、安全を期して、全ての杭を延伸する事で、所定の支持地盤への到達を果たす事ができました。

この数ヶ月後に、横浜での杭偽装問題が明るみなりました。改めてひとつ一つの工程をしっかりと行う事の大切さを感じると共に、今一度、責任の重さを感じつつ、気を引き締めなければと肝に命じた次第です。
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石川利治
3*D空間創考舎一級建築士事務所

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