コロナウイルス感染防止対策で広まる注文住宅のリモートワークスペース @古川達也

全国に新型コロナウイルス感染拡大の不安が広がり、外出自粛の生活が続いています。家に居る時間が長くなり、日々暮らしている住まいの使い勝手や居心地など気になる方も、ますます増えるのではないかと感じます。相応しい住まいがあったとして、どんな間取りなのだろうか?比較的容易に誰もが取り入れられる工夫なら、少しでも住まいに活かしたいところです。

例えば、コロナ禍となり1年以上ですが、その間に注文住宅の設計依頼を頂いた全ての住まいで共通したご要望があります。それはリモートワークがし易い場所を考えたい、というお題です。家族構成や建物規模など物理的な違いだけでなく、当然皆ライフスタイルが違いますから、リモートワークスペースについてのイメージも多様です。一方で居住空間において仕事をしたり、遠方の方と会議や会談をしたり、講習を受けたりするなど、リモート(遠隔)で諸活動が快適に出来ることは自然で、必要なことなのだと感じます。

住まいにおけるリモート(遠隔)ワークでは、多くの場合Web環境を使うことから、移動できるスマートホン、タブレット、ノート型パソコンなどモバイル端末を活用。あるいは、あまり移動せず定位置となるデスクトップ型パソコンの活用等がともないます。移動できるモバイル型の道具を使えば、住まいにおいても適宜移動して、空いている場所、空いている椅子・机を使い、間取りにとらわれず、どこでもリモートワークが出来るのではないか、という考え方もあります。


リビングと庭との間にある、縁側空間に配置したリモートワークスペース。

注文住宅としてご依頼頂き設計した、愛猫と住まうご家族のための木造2階建て個人住宅は、1階にリビングダイニング、2階に主寝室と子供室という間取りです。共稼ぎのご夫妻にとって、リモートワークが出来る場所は寝室や個室でなく、リビングの一角が良いということになりました。仕事で使うバッグや資料が気軽に置けて、出掛ける時は直ぐに持ち出せる場所が嬉しい。大きな書棚も必要。仕事をしている横で、子供たちも工作やお絵かきをしたり勉強したり出来る、ゆったり幅広のカウンターにしたい。リモート会議が時々あるので、リビングとの間をその時だけ引戸で仕切れるとありがたい。そういうイメージが具体化したリモートワークスペースになりました。ごくまれに夫婦それぞれ同時でリモート会議などがある場合は、どちらかが寝室など別室で対応すれば互いに音の干渉なく間合いが取れますから大きな問題となりません。家族で気軽に活用できるだけでなく、引戸で仕切り独立性をもたせることも可能なスペースで、快適にご活用頂けています。


季節感を感じ心地よく作業できる、縁側空間のリモートワークスペース。愛猫ハニマル君のお気に入り空間でもあります。→ 住まい全体の紹介はコチラです。

実は、この家づくりはコロナ禍となる少し前だったため、設計当初はリモートワークを意識したスペースではありませんでした。リビングと繋がる縁側空間に、ご家族が皆で気軽に使えるスタディコーナー、屋内物干しスペース、家庭菜園の収穫作業スペース、庭や玄関先が見渡せる愛猫の居場所など、それらが兼ねられるということで生まれた場所です。リビングから物干しが直接見えにくく、いたずら好き?猫くんとの間合いもコントロールできると考えて設けた居間との間の引込建具が、偶然リモート会議で役立ったのです。ご家族にとって丁度良いリモートワークスペースになったのですが、その後、別のご家族の家づくりでも参考になっています。注文住宅の間取りから考えるコロナウイルス対策との関係。さらにみつめて参りたいと思います。

古川達也
古川都市建築計画一級建築士事務所

著者情報

古川 達也古川 達也

古川 達也 ふるかわ たつや

古川都市建築計画

住まいが安心で心地いい。そして住まいに感動がある。 そういう家づくりのお手伝いをしたいと思っています。

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