世の中に無いものをつくる_オーダーメイドの世界4「木の化粧梁」@石川 利治
無垢材のカウンターテーブルや四角フレームの収納棚など、今回の沖縄のプライベートヴィラでは、木の手触りや素材感を大切にした空間づくりがされています。特に木に関しては。できるだけ無垢材や塊感を感じられる使い方を心がけました。床、壁はできるだけ装飾を排し、機能性を満足させながらシンプルな構成になっています。それに対して天井は、少し遊び心を感じさせるような木の化粧梁が配されています。
材料は現地で入手できた180角の無垢材を選定し、大工さんに角を落としてもらい、少し手作り感を入れて貰っています。写真は取付時と逆さまに木材が並べられていますが、木口側にはL字形の掘り込み加工を行っています。取付けには天井からの吊りボルトと併せて、壁からボルト頭を出しておいて、下から梁を差し込み、水平の溝に引っ掛けて化粧梁を支持しています。
塗装色は当初は黒が強めとのことでしたが、建物全体の木色との調和を優先した色になりました。取付け前に塗装を済ませて室内に持ち込みました。
固定の下地はボルトによりますが、部屋によって梁が空中に飛んでいたり、天井を梁が支えている様な表現の箇所があります。写真は天井下に梁が取付くような箇所で、天井ボードを固定する金属の下地が組まれています。化粧梁と金属下地の間にはボード一枚分の隙間を開けて、梁の上にボードが乗る様に寸法調整されています。
梁間のボード張りが完了した状態です。
化粧梁の少し煤けた表情が、ソファ周りの家具やペンダント照明と組み合わさり、空間に自然素材の温もりが持ち込まれたと思います。
石川利治[3*D空間創考舎一級建築士事務所]
− 最新イベント情報 −
2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...