世の中に無いものをつくる_オーダーメイドの世界4「木の化粧梁」@石川 利治

無垢材のカウンターテーブルや四角フレームの収納棚など、今回の沖縄のプライベートヴィラでは、木の手触りや素材感を大切にした空間づくりがされています。特に木に関しては。できるだけ無垢材や塊感を感じられる使い方を心がけました。床、壁はできるだけ装飾を排し、機能性を満足させながらシンプルな構成になっています。それに対して天井は、少し遊び心を感じさせるような木の化粧梁が配されています。

無垢材180角

材料は現地で入手できた180角の無垢材を選定し、大工さんに角を落としてもらい、少し手作り感を入れて貰っています。写真は取付時と逆さまに木材が並べられていますが、木口側にはL字形の掘り込み加工を行っています。取付けには天井からの吊りボルトと併せて、壁からボルト頭を出しておいて、下から梁を差し込み、水平の溝に引っ掛けて化粧梁を支持しています。

梁の色検討

塗装色は当初は黒が強めとのことでしたが、建物全体の木色との調和を優先した色になりました。取付け前に塗装を済ませて室内に持ち込みました。

梁固定下地

固定の下地はボルトによりますが、部屋によって梁が空中に飛んでいたり、天井を梁が支えている様な表現の箇所があります。写真は天井下に梁が取付くような箇所で、天井ボードを固定する金属の下地が組まれています。化粧梁と金属下地の間にはボード一枚分の隙間を開けて、梁の上にボードが乗る様に寸法調整されています。

梁間ボード張り

梁間のボード張りが完了した状態です。

ソファ周り化粧梁

化粧梁の少し煤けた表情が、ソファ周りの家具やペンダント照明と組み合わさり、空間に自然素材の温もりが持ち込まれたと思います。

石川利治[3*D空間創考舎一級建築士事務所]

著者情報

石川 利治石川 利治

石川 利治 いしかわ としはる

3*D空間創考舎一級建築士事務所

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「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...