住まいのまわり「一本の樹」 @古川達也

街に家を建てるとします。。「住まいのまわり」とは、家と街のあいだ。。

本日は住まいのまわり最終回。玄関先に育つ「一本の樹」のお話。住まいのまわりに、たった一本の樹。それだけでも嬉しいものです。限られた土地における家づくり。庭をもうけることが難しい場合もよくありますが、そんな時でも、家族を見守るたった一本のシンボルツリーがあるだけで幸せな気持ちになります。

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例えば、以前に設計した個人住宅【山見の家】実はこの住まい、建主が土地を購入した際、はじめから敷地内に一本のハクモクレンの樹がありました。設計当初、皆で話し合い、この樹を残すことを前提にプランニングすることになったのです。

夏は青々と茂り、秋には葉を落とす落葉樹です。落ち葉は風にまい、敷地内を超え道路や隣地にも落ちます。親しい仲にも礼儀あり、ご家族が落ち葉を片付ける際は、自然とご近所にご挨拶。落ち葉ひろいがきっかけで、日々の会話がひろがることもあるようです。春には、大きな白い花が沢山つきます。「咲きましたね!」のご近所会話が自然と挨拶に。

玄関先の樹は、住まいそのものの間取りとも、インテリア空間とも直接関係がないのですが、にもかかわらず、住まいの顔としてご家族の気持ちや元気が街に現れ、ご家族と街をソフトに繋ぐ大切な暮らしのアイテムです。

住まいづくりにおける「住まいのまわり」。住まい手や土地環境に合わせ様々ですが、丁寧に考えることで、より住まいの魅力に繋がるように思います。

古川達也
古川都市建築計画一級建築士事務所

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著者情報

古川 達也古川 達也

古川 達也 ふるかわ たつや

古川都市建築計画

住まいが安心で心地いい。そして住まいに感動がある。 そういう家づくりのお手伝いをしたいと思っています。

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