ウィズコロナ・アフターコロナ@小林武

目に見えないウィルス。世界中に広まった新型コロナ。

コロナ禍と言われ1年が経ちました。

我々建築設計者においても仕事の仕方、過ごし方が今までと、

かなり変化致しました。

人と人との繋がりが遮断されるべく制限されるのは辛い事です。

しかし、高齢者などが重症になりやすいウィルス。

気を付けなければなりません。

皆様もどのように今後生活をしていくのが良いのか

悩まれているのではないでしょうか?

 

建築設計とは皆様の日々の生活を考える事でもあります。

そこで主要なコロナ対策について考えてみましょう。

 

・家にウィルスを持ち込まない対策。

今は当たり前のように家に入ったら手洗い、アルコール洗浄という習慣の方も多くいらっしゃると思います。もう一度、その意味を考えてください。手はドアノブ、手摺、エレベーター釦など多くの人が触る部位に触れ、その後、自分の口などを触ってしまう危険があるので除菌が必要と考えられています。まず、ドアノブなどをなるべく触らないでも良い方法を考えるのも一つです。そして、私が思うのはマスクの保管処理方法です。マスクは息で湿気帯びていればウィルスが付着していても人が吸引するのを軽減してくれるかもしれませんが、乾いて飛散する可能性もあるのではないでしょうか?マスクはフィルター的用途ですので危険物質が一番付着しやすいと考えます。家の中でずっとマスクをしている人は少ないと思いますので玄関近くに蓋付ゴミ箱の配置なども一考ではないでしょうか?

【シューズインクローク内の手洗事例】

 

・家族がコロナにかかってしまった時の対応。

建物の換気計画では正圧・負圧の考え方があります。正圧とは圧力を高くすると空気が押し出されるという考え方です。病院の手術室などはこの手法でクリーンルームを保ちます。逆に負圧とは空気を排出することにより他の空間より圧力を低くすることで空気を集めるという考え方です。一般的な住宅では浴室を一番負圧に考えて換気計画をしていますが、実は家の中で一番排気能力が高いのはキッチンの排気です。気密の高い住宅ではキッチンレンジフードを使っていると玄関が開けづらくなった経験のある方もいらっしゃるかもしれません。コロナウィルスは空気中に飛散して人にかかると言われていますので、この正圧・負圧をうまく使いこなす事で家族の罹患が軽減できると思います。

 

・行動を制限された時のストレス発散。

 

今回のように緊急事態宣言が発令され行動行為が制限される期間が長いと人はストレスを感じます。ストレス発散には個人差が大きい事ですが、自然を感じる空間、没頭できる空間、体を動かせる空間、ペットと戯れる空間などが考えられ、今現在多くのクライアントから多くの要望を受けております。

【プライベート屋外庭と開放的なLiving】

【造付Dogゲージ事例】

 

・仕事を家でするようになった時の対応。

こちらがアフターコロナで一番多い要望です。私が設計する建物にはコロナ以前から書斎の要望は数多く有り設計してきましたが、日頃の仕事を家で全てする、というのは今までの書斎という概念とちょっと違うのではと感じています。もちろん仕事ですから集中したい空間構成は求められますが、相反する様にせっかく家にいるのだから家族の気配を感じていたいという所が求められているように感じています。つかず離れずという難しいプログラムです。そこで最近提案したワークスペースをお見せ致します。

【TV背面をワークスペース計画】

 

LDKの一部をあえてワークスペースとして、開放性と家族の繋がりをもたせた計画。

既に子供たちは成人し独立しているので夫婦の時間を有意義に過ごせるように考えてみました。

ちなみに太陽の動きを考慮しプライバシーを高めた中庭、外観も拘りの計画です。

家づくりにおいて素敵な空間を造るというのはもちろんですが、フォトジェニックだから住みやすい家とは限りません。家族の形、時間を考えて設計しています。

納得のいく家づくりを一緒に致しましょう。

著者情報

小林 武小林 武

小林 武 こばやし たけし

KOB建築設計事務所

たまには空を見上げませんか?たまには逆立ちしませんか? お気に入りの靴を履いて出掛ける時って少し気分がスゥーっとして気持良くなる事があります。 些細な事かもしれませんが,こんな[何と無く良いね]を常に考えて建築設計をしています。 この何と無く良いねと建物にかける費用は必ずしも比例しません。比例するとしたらその行為に関わる人たち(顧客・設計者・監理者・施工者)の発想や情熱また努力だと思います。 その中で私たちKOBは機能性・安全性・設計者の立場の独立性をまず第一に考え,それから一歩先にある心地よさや感動を求めて一つずつ丁寧に考えて皆様の期待に応えていきたいと思います。

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