3.11@小林武
今日は東日本大震災から10年。
2011年3月11日14時46分地震発生。私は仕事で電車に乗っていた。
乗っていた電車は14時50分頃、東京は神田駅に電車は緊急停止。
駅のプラットフォームで地震に遭遇した。
ご存じの方もいるかもしれませんが神田駅のプラットフォームは中央通り(大通り)の上に鉄骨で橋のような架構となっている。
目の前の雑居ビルからガシャンガンシャンという大きな音を立て埃が立ち上がり今にもビル同士がぶつかりそうなくらい揺れていた。
しかし、もっと揺れていたのは自分のいるプラットフォーム。鉄骨は揺れるのである。立っていれないくらいの揺れの中、急いで改札方向の階段側へ避難。
改札を出て仕事の目的地まで歩いて向かう途中ではオフィスビルからかなりの人数が街にあふれていた・・・。
今回は3.11で思い出す鉄骨造について書いてみたいと思う。
我々が設計を始めるとき構造を何で進めるか必ず悩みます。
クライアントからの要望、コスト、プラン、地盤などなど、構造を決める要因は多岐にわたりますが、鉄骨造のメリット・デメリットを簡単に説明したいと思います。
【写真は私が設計した鉄骨造のサロン屋根】
(メリット)
・鉄筋コンクリートより自重が軽くなるので地盤に負担をかけないようにできる。
・大きなスパン(大きな空間)を造りたい時に鉄骨は有効な素材。
・将来の可変性(増築など)に対応しやすい。
・素材自体に粘りがある。(超高層建築物に多く採用されている。)
(デメリット)
・柔らかく粘りがある素材なので揺れを感じやすい。
・錆の問題があるので水や結露対策が他の構造より、より重要。
・熱伝導率が大きい。(熱が伝わりやすい)
・電気を帯びやすい。
【写真は私が設計したバイクショップ】
住宅に限って考えてみると地盤が弱く大きな開口を設けたい場合などには鉄骨造は
有効な構造と考えています。
しかし、居住性を考えると揺れやすい事、断熱(ヒートブリッジ)対策など
注意が必要です。
3.11に神田駅で感じた揺れはトランポリンのようでした・・・。
素材は建築家に相談して適材適所を考えて使用しましょう。
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