賃貸住宅建物のコンクリート打ち放し仕上は型枠の種類で造り方と表情が変わる

躯体のコンクリートは、工事の進行と共に、上階に移ってゆきます。今回はコンクリート躯体がそのまま仕上となる、コンクリート打放しを外壁と共用部廊下の一部で採用しました。

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コンクリートを打設して最終的に見えて来る躯体表面は、流し込まれる側の型枠表面の様子がそのまま転写される事によって決まります。この型枠をいかに作って行くかが意匠的にはとても重要なポイントになります。

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今回は、大きくは3種類の型枠を使用しています。

普通合板:仕上材料(タイル、ボード等)を施し、コンクリートが隠れる箇所

塗装合板:コンクリート打放し面を平滑に見せる箇所

杉板本実:コンクリート打放し面に板目を転写する箇所

前面道路に面する界壁、エントランスから共用廊下の内壁は杉板本実にて行いその他外壁の大部分は塗装型枠で組みました。これは、人が直接触れる箇所には、コンクリートの硬質な素材感に木目を写す事で、より柔らかさと繊細さを盛込む事を意図しています。コスト的には、杉板本実が最も高価なため、工事費抑制の意味合いでも使い分けが求められました。

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構造躯体そのものが仕上になるコンクリート打放しは、骨組みを作っている段階で、最終的な出来上がりの状態を作っていると云う事になります。基本的には直しの効かない一発勝負になるため、出戻りが無い様に各部の細かな納まりを全て決めた上で,型枠を作って行く必要があります。今回は、設計段階で、型枠寸法の3×6版(910×1820)を元に柱、開口部の大きさ、通り芯等を決めて各部割付を行いました。大きな方向性は現場でも踏襲され、比較的スムーズに施工を進める事ができました。意匠上、最も注力した杉板本実部分の割付は、取合うタイルの寸法、階段の蹴上、踏面寸法との調整も含め、現場でも多くの時間を割きました。

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また前面道路側には跳ね出しスラブ(=床)が各フロアーにあり、その上げ裏は塗装型枠による打放しです。梁形とスラブを意匠的に馴染み良くする為に、型枠を斜めに傾けた箇所など、順調に組み上がってゆきます。設備関係の仕込みも順次進め、コンクリート打設に向けて準備を整えて行きます。

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石川利治
3*D空間創考舎一級建築士事務所

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