時間のデザイン 15年 こども部屋はいりますか @滝川淳
人生の中で家づくりを始めるタイミングとして最も多いのが
子育てがスタートして数年、という時期ではないでしょうか。
夫婦二人だけの生活から、だんだん大きくなってくる子供を見ながら
生活の基盤としての家を考え始めるのです。
目の前の事象として「こども部屋」もしくはこどものためのスペースを
どうするかが主題になるのは当たり前のことです。
しかしながら、よく考えてみると同じ屋根の下でこどもと過ごす期間は
長くて20年、短い場合は15年以下という家族もあるでしょう。
そう、こどもが自立して家を離れるようになってからの時間の方が
圧倒的に長いのです。
「お子様は何人ですか」という質問と同時に「こども部屋は必要ですか」
と聞くのはそのような理由からです。
面白い事例があります。
30坪を切る延べ床面積の中に、ダイニングは別にしてリビングだけで
22畳のホールのような部屋が確保できた、こども二人のいるご家族の家です。
この家のポイントはこども部屋が無いこと。
正確には本棚を隠すように置かれた建具を移動することで、
リビングの一部にこども部屋を作ることができるように考えてあるのです。
こどもの成長を見ながらそろそろ個室が必要かなと感じるようになったら、
建具を移動することで、5畳程度の個室を1つ、もしくは4畳の個室を2つ
作ることができるようになっています。
写真の中央左手にある4枚の建具がそれです。
こどもが巣立ってからリフォームができるような骨格で設計しておくことも良いでしょうし、
またはこの事例のように最初からこども部屋はテンポラリーなものに限定しておき、
空間を広く使うことも考えられるのです。
− 最新イベント情報 −
2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...