見直しの住居学09 自然の素材を使おう @栗原守+小泉拓也
節もひびも美しい大らかな心で使ってこその自然素材
合板やビニールクロス、接着剤や塗料などの化学物質がシックハウスの原因であることが明らかになると共に自然の素材が見直されてきました。それ自体は喜ばしいことです。自然素材は有害物質を放出しませんし、素材そのものに呼吸する機能があるため、湿気の調節ができるなどの利点があります。
しかしいい点ばかりではありません。傷が付きやすく、反ったり割れたり、ひびが入ったり。色も模様もバラバラで品質が一定ではありません。ですから自然の素材を使う場合、こうした特徴を欠点とみなさず、素材の個性として、容認する大らかさが必要となります。木の柱は乾燥して小さな割れが入るのは当たり前であり、節もあって当然。節なしを無地として尊び、4面に節のない柱を四方無地の最高級品として自慢する工務店さんもいるようですが、小さな節くらいならあっても木の耐力には変わりはなく、節のあるなしでランク付けするのは山の木に対して失礼だと思っています。
福島県の舘岩村で、樹齢80年、高さ30mの赤松の伐倒を見る機会がありました。木こり職人が木の精霊に御神酒を捧げ、感謝と共に伐倒。赤松が倒れる瞬間には、居合わせた誰もが荘厳な雰囲気に包まれました。この伐倒を目の当たりにして、木を大切に使おうと、それまで以上に強く思いました。自然の素材は生きています。それを充分に分かった上で使う姿勢が大切だと思います。いつまでも変わらずにきれいなモノなど自然界にはありはしないのですから…。
(写真は築10年近くを経過して無垢の木が飴色に経年美化した住まいです。撮影:GEN Inoue)
さて、今週6日の木曜日から12回目の模型展が新宿で開催されます。建築家との家づくりの可能性を考えるいい機会になるかも知れません。建築家とのいい出会いもあるかも知れません。ぜひ新宿パークタワー1階ギャラリー3の会場にお越しください。入場無料です。来場者にはできあがったばかりの自主発行のフリーパーパーを無料配布の予定です。こちらもお楽しみに…..。
>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
>>一級建築士事務所 光設計のHP
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