自然エネルギーを取り込む省エネ住宅の採光
自然を取り込む
まずは基本の基本から。
自然が与えてくれる、タダで使えるものは使いましょうということです。
日本は四季がありますので、夏冬の間の中間期に冷暖房の必要のない時期があります。
気候の良い時期に外の環境を取り込んで暮らすのは、
省エネであるということだけではなく、とても気持ちのよいものです。
また、夏場のエアコンの必要な時期であっても、
こもった熱気を高低差のある開口を通して換気する(重力換気)ことで入れ替え、
帰宅時の空調効率などを上げることも出来ます。
建築計画を行うときに、しっかりとした通風計画(換気計画)をしておくことは
もっとも基本的なあたりまえのことですが、
あとからではどうしようもない大切なことです。
土間の足元に換気用の開口をとった例。(太田窪の家)
この突き出し窓と階段室上部の窓を開けると
重力換気で建物内の空気が大きく動き温度差が小さくなります。
換気用トップライト(カドノイエ)
吹抜の熱気を抜くための開閉できるトップライト。
北側勾配の屋根なので採光はゆるやかな光ですが、
換気には力を発揮します。
換気の話が先に出ましたが、光をうまく取り入れることも大切です。
メインの部屋は日中に照明を使わないでも普通の生活ができるように、
照明(採光)計画をしておきましょう。
そういう部屋は冬季の暖房も日中はそれほど強くしなくても暮らせるはずです。
ハイサイドライトからの光(太田窪の家)。2月の午前中の光。
引渡し前で一切暖房が入ったことがない状態で
上着がなくても十分にいられました。
旗竿敷地で狭小住宅(松庵の家)
隣地の状況が悪い家でも、うまく光を取り入れれば
日中は照明なしで。
冬はいいけど夏は暑いでしょ・・・という話もありますが、
ブラインドやカーテンをつかうだけではなく、
すだれ・よしず・グリーンカーテンなど季節のアイテムを使って
うまく調節してやることで、
遮光の効果だけではなく、季節感がでてきていいとおもいます。
今言ったことは、ほぼ「窓の計画」の話です。
家の中の窓の位置・大きさはいろんな条件で決まりますが、
通風・採光をよく考え「自然を取り込む」ことは
「省エネ」に大きく寄与するだけではなく、
気持ちよく暮らすことにつながってゆきます。
※ 本当は窓の話をすると断熱の話もするべきですが、
※ この話は又の機会にしたいとおもいます。
※ あたりまえのことですが、建物の基本性能をあげることは必要です。
※ ただし、どういった方法でおこなうかといったことが問題になります。
「自然を取り込む」と「省エネ」になるだけではなく、
気持ちのいい家になると思います。
明日は 「単純な考えで」 というお話の予定です。
過去のリレーブログで菰田晶が窓について書きました。
https://kenchikuka31.net/5181
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