コンクリート数量を抑え工事金額減を行う間取りと木軸構造住宅の工夫@石川 利治
今週のリレーブログを担当する石川利治です。今回も2013年4月に行った31人会の分科会「建築家サロンin自由が丘vol.2」でお知り合いになったお客様と進めておりました[K-HOUSE]という戸建住宅のお話を中心に進めて行きたいと思います。1週間、宜しくお願い致します。
基礎工事の様子までを前回にご報告させて頂きましたが、今回からはいよいよ建物の全容が見えて来る木工事の工程についてお話し致します。
今回の木軸フレームの特徴は1階と2階の投影面積が異なる事です。下図をご覧下さい。こちらは1階平面図になりますが、色で斜線ハッチの掛かった部分は1階の外側にはり出している2階部分です。
青の斜線ハッチは張り出し部の先端に独立柱が地上から建ち、上階を支えている箇所です。これに対して赤色の斜線ハッチは先端を支える柱が無い、いわゆる片持ち出しの床になります。この1階が2階より面積が小さい事は、コンクリート基礎の量が抑えられる事に繋がり、工事費の抑制に効果があります。また、出入口付近では雨掛かりを避ける庇の代わりとして働き、敷地境界付近では建物外周にゆとりを持たせる効果などがあります。
下図は2階床の木軸フレームを表しています。赤く斜線ハッチが掛けられている部分は1階の外壁の外側に跳ね出している箇所です。それぞれの梁は建物内部から外にはり出している様子が判ると思います。
フレーム図の18a-19a付近の破線による赤丸で囲った箇所がありますが、こちらは角隅が跳ね出しています。この様な2方向の跳ね出しは実は難しく、今回は構造解析をお願いしてフレーム設計を行っております。具体的には、E通りJ通りの梁が直交する18a通りの梁(紫色の斜線ハッチが掛かっている箇所)を載せているといった構成になっています。
下図はそれぞれの梁が設置される高さ表していますが、上下方向の勝ち負けがつけられている様子が判ると思います。
当該部は屋外テラスとして使うため、これらの梁天場の高さと排水を行う勾配とを組み合わせて納められています。
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