こだわり・・・@田邉恵一
今週の「ぱとろぐ」を担当させていただきます田邉です。
今回はクライアントの方々の「こだわり」についてお話したいと思います。
私は住まいを「形」でとらえるのではなく、「場」を作ることをコンセプトに、「じぶんism」を具現化した住まいを創造していますが、その多くにクライアントの住まいに抱く「こだわり」も具現化してきました。
「光」や「風」「広さ」「コスト」などは共通に持たれる事柄ですが、素材系ではコンクリート打放しであったり、木質、素材、色彩にこだわりをもたれる方々もお手伝いしました。また、猫や犬との暮らし、ガレージやクルマとの暮らし、テラスライフ、屋上、眺望、庭やガーデニング、キッチンや浴室空間、露天バス、音楽室、明かり、家具や収納、掃除やメンテナンス、防犯・・などなど。
どのように具体化したら良いか困った「こだわり」には、スターウォーズの宇宙船・・とか、サンダーバード基地見たいな・・、日本の夏祭り的な・・、お茶の間見たいな寝室・・、緑色の外壁・・、かわいい・・という難題もありました。
これらの中で、今回はレンガに「こだわり」を持たれた2つの事例を紹介します。
1つめの事例は、「3匹のこぶた」の童話からレンガに「こだわり」を持たれ、計画前からクライアントといろいろな場所へ出向きレンガ探し。そしてお互いに気に入ったレンガをみつけイメージを作った住まいです。この事例ではパブリックな空間を抱くように内外レンガ仕上げの壁を基軸に、木造の屋根をのせ、素材の対比でレンガを主役にしました。
2つめの事例は、幼い時に家族と過ごされた官舎(なんと現在の東京国立近代美術館工芸館で、戦後皇宮警察の寮として使われ時期に暮らされていたそうです)がレンガ造だった原風景から、終のすまいとしてやはりレンガに囲われたいとの思いを具体化した実例です。この事例では、外壁をレンガで仕上げても、住まう室内空間からレンガがの良さを感じることが出来なければ意味もないと思い、内外反転した発想を提案し、具体化しました。
ともに「こだわり」がデザインになり、「じぶんism」を表現した住まいにすることができました。
いろいろな課題・難題に答えを見つけるのが、私たち建築家の仕事です。こだわりや難題を相談してください。きっとそれぞれに素敵な結果が生まれると思います。
− 最新イベント情報 −
「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守
「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...