平屋と2階建て @小林眞人

私自身 実感は無いのですが近年、平屋を求める方が増えているとの事ですが

地域差があるのが実情だと思います

 

仮に30坪の住まいを建てる場合 建ぺい率を60%と考えると

平屋建ての場合は必要土地面積が50坪 総二階の場合は25坪となりますから

都心の土地の価格が高い地域ではとても贅沢な話となり、郊外の土地区画の広い地域では

実現性が高くなります

 

以下に 平屋と2階建ての比較として

平屋の場合のメリット・デメリットを挙げてみます

2階建ては概ねその逆と理解して頂いて良いと思います

 

  • メリット:
    • シンプルな生活動線がつくりやすい
    • 階段の無い分有効面積が大きくなる
    • バリアフリー化しやすい
    • 耐震性に優れている
    • 庭や外構との接点をつくりやすく、ウッドデッキや中庭など、内外を繋いだ空間性を実現しやすい

 

  • デメリット:
    • 同じ延べ床面積で建てる場合、二階建てよりも広い敷地が必要になる
    • 建築コストが高くなりやすい
    • 周囲からの視線が気になる
    • 接地部分が増える分、防犯性を考える必要がある
    • 奥の深いプランの場合、日当たりや風通しが悪くなる可能性がある
    • 床上浸水が起こりうる地域では家全体が水浸しになるリスクがある

 

平屋は、すべての部屋がワンフロアに配置されているため、階段を使わず行き来することができます

また、庭や外構との接点をつくりやすいため、ウッドデッキや中庭などのアイデアも実現しやすいという特徴があります

一方、平屋はすべての部屋が地続きなので、周囲からの視線が気になったり、部外者が侵入しやすくなる可能性があります

また、日当たりや風通しが悪くなる傾向があるため、採光・通風を確保する工夫が必要です

 

みなさんの関心が高いと思われる コスト面をもう少しみてみましょう

平屋のデメリットとして 建築コストが高くなりやすい と書きました

上図は平屋と2階建てを単純化したモデルですが

この場合2階建ての方が外壁面積が大きくなりますが

平屋建ての方が屋根面積・基礎面積が大きくなります

ただ、平屋のデメリットとなりうる、採光性や通風性を確保する様

上図の様にプランを外気に触れる面積を大きくなる様に工夫をすると

単純モデルよりも外壁面積は増えて行くことになるので外壁面積のコスト差は

大きくなさそうです

基礎は建物を地面に載せるためのものですから、その耐荷重は単位面積あたりは

2階建ての方が大きくなり、その分しっかりとしたものにする必要がありますが

経験的にはそれよりも地盤の良し悪しの方が基礎に与える影響が大きく

杭工事や地盤改良が必要となる軟弱地盤になればなるほどその基礎面積は

コストへの影響が大きくなります

 

平屋にしろ・2階建てにしろ 述べて来たメリット・デメリットを最初に知ることが重要だと思います

知った上でよりメリットを活かし・デメリットを減らしながら建物を考えて行けば

よりよい理想の住まいが実現できると思います

著者情報

小林 眞人小林 眞人

小林 眞人 こばやし まひと

株式会社 小林真人建築アトリエ

『バランス感』と『素材感』を大切にした建築を心がけています。 全体とディテール、都市との関係、実用と芸術・・・ シチュエーションに応じて取るべきバランス点を見極めたいという思いです。

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