8月7日午後:BIM(CAD)ソフトVectorWorks2025 Architect 追加購入・インストール

BIM(CAD)ソフトウエア VectorWorks2025 Architect 追加購入しました。

 

BIMとは、(Building Information Modeling)の略で、建築物の設計から施工、維持管理に至るライフサイクル全体の情報を3次元モデルで一元管理する手法のことです。従来のCAD(Computer-Aided Design)のように図面を平面で作成するのではなく、BIMでは3次元の立体モデルを作成し、その中に建築物のあらゆる情報を付加して管理します。
ちょうど仕事のキリが良いので、BIMによる設計ワークフローに切り替えようかと考えています。

しかし、このソフトの金額はなんと1本50万円! 2024年中には先行してFundamentalsを購入、こちらは3D CADではあるのですがBIMができない廉価版ですがそれでも36万円!
FundamentalsいずれはArchitectにバージョンアップ予定ですが、2本で100万円という、零細アトリエ事務所としてはかなりの投資額です。いや、20人規模の事務所なら1000万円を超える投資額ですから、大所帯のアトリエや組織事務所でもCADソフトの価格高騰は経営的に頭が痛いのでは!?

かつて前進のMiniCad時代は10万円程度、独立したころに購入したVectorWorks9が確か16万円くらいでした。
MiniCad時代からの直感的な操作(正確な数値はもちろん、Macの他のソフトと基本操作は同じで、感覚的に絵を描く、写真を扱う)ことができ、前職の事務所に兄弟子が私物のSE30を持ち込み、それが事務所のCadに採用され、とても気に入っていました。
ですが、近年の毎年のバージョンアップによる互換性の確保、価格上昇には正直疲れていました。
BIMでない廉価版をもっと安くしてもらいたい気もします。ただ30年近く慣れ親しんだ操作感とこれまでの膨大な過去の作図データを資産として考えると、なかなか他のCADへの乗り換えも躊躇してしまいます。

手描き製図からCADへ移行した走りの世代ですので、コンピュータ(Macですが)新しいことへのチャレンジはいとわないのですが、いや、むしろ当時はMacで好きなところに好きな図形や絵が描けることにことに驚き、率先してCAD製図に切り変えましたが、果たしてBIMによる設計がそれだけの投資に見合う効率化が実現できるのか!?

一方で一級建築士・2級建築士は手描き製図のまま…。基本といえば基本ですが、先日、茅ヶ崎美術館で見てきた山口洋一郎さんやル・コルビジェ、とその弟子坂倉準三、前川國男、吉阪隆正の名前が入った鬼気迫る手描き図面を目の前にすると、果たしてBIMによる設計と建築の質は向上するのだろうか、むしろ手描きでもいいような気すらしてきます。

が、時代の趨勢、若いスタッフにとっては避けては通れない道かもしれませんので、ものは試し、国交省も公共建築も今後はBIM化を推進していく方針ですので、まずは時代の流れに乗ってみたいと思います。

著者情報

中村 高淑中村 高淑

中村 高淑 なかむらたかよし

株式会社 中村高淑 建築設計事務所

■建築の力と可能性を信じる 〜建築家住宅に暮らす楽しさをみなさまに 「建築の力と可能性を信じたい…」そんな想いを胸に自らの事務所を設立しました。建築には皆さんの暮らしや社会をより豊かにするだけの力と可能性を持っていると信じています。 安心で快適、使いやすく愛される建築を提供していきたいと思います。

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