見直しの住居学04(お風呂と坪庭) @栗原守+小泉拓也
4日目の今日はお風呂の坪庭のお話です。先日、FM-TOKYOの長寿番組「AVANTI」に出演したときにもお風呂の坪庭について同じようなお話をさせていただきました。
わたしたちにとって、お風呂とは体をきれいに洗うというよりも、1日の仕事の疲れやストレスを解消し、リラックスする場になっているというのが本当のところのようです。だからお風呂はリラックスできることを第一に考えて計画するとよいと思っています。それにはある程度の広さが必要です。最低でも1坪、とれるなら1.25坪〜1.5坪くらいは欲しいところです。
広くなると寒いのではという心配は無用です。今は浴室にも簡単に暖房機がつけられます。暖房換気乾燥機というものを天井にセットすれば寒いときの暖房に使えるだけでなく浴室を雨の日の洗濯物の乾燥室にすることもできます。湿気でカビが生えやすい浴室も、乾燥させることで、カビの発生を押さえることもできます。
タイルだと足が冷たいが、浴室の床用のコルクタイルというものもメーカーからは発売されています。またタイルでも、温感タイルといって冷たさが少ないタイルなんて製品も市販されているので、そういった素材をじょうずに活用して居心地のよいお風呂を計画するといいと思います。お年寄りのためにはは出入り口を3枚引き戸にして脱衣室から段差なく洗い場に入れるようするのもいいです。
お風呂に坪庭を計画するという究極のストレス解消のお風呂もあります。
私の設計では条件さえあえば、ほとんどの住まいのお風呂に畳1畳ほどの小さな坪庭を計画しています。ここには日陰に強い黒竹や笹などを植えます。この坪庭には目隠しのためのコの字形の壁はあるが屋根はないので、雨や雪が落ちてきます。坪庭に面する壁は、大きな透明の安全ガラスにして、ガラス戸をつけて、坪庭に出られるようにすることもあります。こうすると、露天風呂のような感じでバスタイムを楽しむことができます。坪庭の黒竹の葉にちらちら落ちてくる雪をみながら、お風呂に入れるなんて最高のストレス解消、家のお風呂が温泉になったようなものです。
坪庭を計画するとよいことがもう一つあります。それは坪庭に面して大きな窓がとれるので、換気がしやすいということです。だからカビが生えにくいので壁や天井を板張りにすることもできます。腰から下は水がかかかるのでタイル張りにして、そこから上の壁と天井は板張りにするケースが私の設計ではたくさんあります。木の匂いがプ〜ンとするお風呂となると、もう完全な温泉旅館の露天風呂感覚です。多少の日頃の疲れやストレスは簡単に吹っ飛んでくれるに違いありません。
バスコートのテラスに面していて、湯上がりにはテラスに出ることもできるます。大きな木製のガラス引き戸をフルオープンすると露天風呂のような開放的なお風呂になります。
>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
>>一級建築士事務所 光設計のHP
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