時間のデザイン 1日 西日を避ける @滝川淳
家は太陽と共にあり、方位をいつも気にします。
「すまいは夏を旨とすべし」と兼好法師も言っているように、
夏の住まいを快適にするために庇を設けたり、風通しを良くしたり
するのは設計の基本中の基本です。
しかし一日の中でもほぼ水平に差してくる夏の西日は半端なく強烈なので
設計上の工夫で回避するというよりは
通風のための小さな窓をのぞいて西の方角に窓は設けません。
数年経った家を訪ねていつも気になるところは西日を直接受ける木の素材。
明らかに他の方角とは劣化具合が異なります。
浸透性塗料を使っている場合は、西面だけひんぱんに塗ってもらうことを
おすすめしています。
それでも1日の中で夕日を見る時間がとても好き!というクライアントや、
夏の夕方に西から風が吹いてくるといった敷地の特性がある場合は
窓にはLow-E複層ガラスを使う、
遮光性のあるブラインドを用意する、
少し離れたところに、視線を遮らない程度の塀や腰壁を設ける、
といった方策で開口部を実現します。
いくつかの方策を講じた西向きのオープンスペースは、
プライバシーを重視した静かなスペースが出来上がります。
写真は里山の風景を見ながら夕日を楽しむための2階デッキ。
腰壁や庇で切り取られた横長のビューを確保することで、
適度な遮光性と解放感を実現しています。
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2025年9月20日(土)「自然素材の平屋の木の家」完成現場見学会のお知らせ @小泉拓也+栗原守
中野区の「自然素材の平屋の木の家」は平屋の約33坪の住まいです。建築主さまのご厚意により2025年9/20(土)完成現場見学会を開催させていただくことになりました。リビングダイニングとつながる大きなデッキテラスで内と外の暮らしを楽しむことができる平屋の木の家です。 無垢の木や左官の薩摩中霧島壁、沖縄の月桃紙、天井のくりこま杉などの自然素材でできた温かく気持ちのよい空間の雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 家づくりを検討中の方のご参加をお待ちしています。時間指定で3組限定の見学...