見直しの住居学05(古いものを生かそう)@栗原守+小泉拓也

私の担当ブログ最終回の今日は古いものを生かしたいというお話です。

昔の民家が見直されています。民家情報のネットワークや民家を解体して希望地に再建する組織があり、梁や柱などの材料を1本単位で販売する古材専門店もあります。

知人のアメリカ人の夫と日本人の妻の夫婦も古民家を購入して山梨県塩山市に住んでいます。外国の人に日本の古くて良いものを認める傾向が強いのはどうしてでしょうか。織物、やきもの、歌舞伎に相撲。外から見る方が、日本の良さが鮮明に感じられるのかも知れません。

1997年環境先進国ドイツにエコロジー住宅の視察に行った際、ドイツのエコロジー建築家ホルガー・ケーニッヒさんに「日本には江戸、明治、大正とエコロジーな暮らしの歴史があるのに、何故ドイツまで来るのですか。日本にこそエコロジーの原点があるのに」と言われたことを思い出します。本当にその通りだと今は考えています。

民家の再生といった大掛かりなことでなくても、家づくりに古いモノを生かす方法があります。今までの家を壊して建替えの場合、何かひとつでも、それまでの家にあった古いものを新しい住まいに使ってみましょう。高価なものや立派なものである必要はありません。家族にとって思い入れのあるものを新しい住まいに生かすことは、家族が過ごしてきた時間を次の世代に引き継ぐことでもあるのです。

古いものの生かし方はさまざま。床の間の小さな障子は新しい住まいの照明器具のカバーになったことがあります。仏壇の細工の細かい格子戸をそのまま利用して仏壇スペースを作ったり、屋根の鬼瓦をアプローチの飾りに使ったり。大切なことは住まいの中で、きちんとした場所を与えることです。新しい住まいで、古いものは不思議な力を発し、世代を超えて住む人の心をつないでいきます。
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古民家のクリの柱を大黒柱に使ったリビングです。吹き抜けのリビングの中で圧倒的な存在感を出しています。長い時間の経過が成せる技だと思います。触ると手にあたたさが伝わります

>>栗原 守+小泉 拓也/一級建築士事務所 光設計 建築家31会のページ
>>一級建築士事務所 光設計のHP

 

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オープンハウス(完成見学会)2/29 東久留米の ‘yin-yang’ house @七島幸之+佐野友美

この度、アトリエハコ(@七島幸之+佐野友美)で設計監理を行った「東久留米の 'yin-yang' house」が完成致します。 お施主様のご厚意によりオープンハウス(完成見学会)を行わせて頂く運びとなりました。 高台にある、落ち着いた雰囲気の分譲住宅地、その行止りに位置する旗竿敷地。 敷地の地盤面がアプローチの道路から更に2.3M程高く、道路レベルから敷地内の様子は窺えない。 コンクリート・木・金属の素材感 光を吸収する面、バウンドし、砕く面 明暗のコントラスト、光と影の図形 ...