住まいのリフォーム住宅設計増加とワンガリ・マ―タイ氏の「もったいない」

ざっくりですが、住まいのリフォームを考える方々が、増えているように思います。私自身なぜか縁あって、ここ最近リフォーム設計が続いています。

まず、大前提として生み出された建物や空間を大切に使う。もし、不備があるとしたら手を入れ、直して使う。可能な工夫をほどこすことで、住まいがより楽しく快適になるのだとしたら嬉しい。大賛成です。

さて、直して使うというからには、動機が必要。断熱性や耐震性など、性能に不安があって直したい.. 壊して新築するより少々経済的かも.. その住まいに、とても愛着があって住み続けたい.. 壊して新築することが、なぜか難しい状況にあったり.. きっと理由は様々ですね。

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◆リフォーム住宅【多摩の広がる家】改築前&改築後

数年前に他界された、ノーベル平和賞受賞者ケニヤ出身のワンガリ・マ―タイ氏が大切にした言葉は、なんと日本の「もったいない」でした。使い捨て、無駄遣いはもったいない。さらに、人の勇気や志しを活かせないことは、もったいないことだ等々。つまり「もったいない」を考えることは、最終的に地球全体の環境と、幸せを考えることに繋がるとのこと。

実は、彼女の著作を読む機会があったのち、自身でも、しばらく「もったいない」という言葉をすごく使うようになりました。 影響されやすい私。笑 多分長年思っていたことが、ふに落ちたのだと思います。

その建物を活用しなかったら「もったいない」.. あの柱梁を活かせないとしたら「もったいない」.. リフォームの動機で「もったいない」を考えたり、話したりしている自分に気が付いたのでした。そして逆に、リフォーム設計でなく新築の設計においては、のちのち手放すことが「もったいない」と思える空間を構想し、提案したい、と以前より強く思うようになったと、感じています。

「もったいない」を、もう一度考えてみませんか?

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◆「もったいない」マガジンハウス 発行(オススメです)
◆「モッタイナイで地球は緑になる」木楽舎 発行

古川達也
古川都市建築計画一級建築士事務所

著者情報

古川 達也古川 達也

古川 達也 ふるかわ たつや

古川都市建築計画

住まいが安心で心地いい。そして住まいに感動がある。 そういう家づくりのお手伝いをしたいと思っています。

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オープンハウス(完成見学会)回遊動線のあるつくばの家 3/20(祝) @石井正博+近藤民子

この度、設計事務所アーキプレイスで設計監理しました『回遊動線のあるつくばの家』(木造2階建)が竣工間近となり、建て主様のご厚意によりオープンハウスを開催させていただくことになりました。 つくば市の新旧入り交じる住宅街に建つ、3人家族のための住宅です。 リモートワークが広まり家で過ごす時間が長くなる中、ご夫婦それぞれの仕事場でもある住まいには、より快適に暮らしていけるよう、ゴロンとできる和室、本棚のあるヌック、子供と遊べる南の庭などの場所をちりばめています。 オープンハウス(完成見学会)...