住まいのリフォーム住宅設計増加とワンガリ・マ―タイ氏の「もったいない」

ざっくりですが、住まいのリフォームを考える方々が、増えているように思います。私自身なぜか縁あって、ここ最近リフォーム設計が続いています。

まず、大前提として生み出された建物や空間を大切に使う。もし、不備があるとしたら手を入れ、直して使う。可能な工夫をほどこすことで、住まいがより楽しく快適になるのだとしたら嬉しい。大賛成です。

さて、直して使うというからには、動機が必要。断熱性や耐震性など、性能に不安があって直したい.. 壊して新築するより少々経済的かも.. その住まいに、とても愛着があって住み続けたい.. 壊して新築することが、なぜか難しい状況にあったり.. きっと理由は様々ですね。

20151026_2
◆リフォーム住宅【多摩の広がる家】改築前&改築後

数年前に他界された、ノーベル平和賞受賞者ケニヤ出身のワンガリ・マ―タイ氏が大切にした言葉は、なんと日本の「もったいない」でした。使い捨て、無駄遣いはもったいない。さらに、人の勇気や志しを活かせないことは、もったいないことだ等々。つまり「もったいない」を考えることは、最終的に地球全体の環境と、幸せを考えることに繋がるとのこと。

実は、彼女の著作を読む機会があったのち、自身でも、しばらく「もったいない」という言葉をすごく使うようになりました。 影響されやすい私。笑 多分長年思っていたことが、ふに落ちたのだと思います。

その建物を活用しなかったら「もったいない」.. あの柱梁を活かせないとしたら「もったいない」.. リフォームの動機で「もったいない」を考えたり、話したりしている自分に気が付いたのでした。そして逆に、リフォーム設計でなく新築の設計においては、のちのち手放すことが「もったいない」と思える空間を構想し、提案したい、と以前より強く思うようになったと、感じています。

「もったいない」を、もう一度考えてみませんか?

20151026_1
◆「もったいない」マガジンハウス 発行(オススメです)
◆「モッタイナイで地球は緑になる」木楽舎 発行

古川達也
古川都市建築計画一級建築士事務所

著者情報

古川 達也古川 達也

古川 達也 ふるかわ たつや

古川都市建築計画

住まいが安心で心地いい。そして住まいに感動がある。 そういう家づくりのお手伝いをしたいと思っています。

− 最新イベント情報 −

内覧会のお知らせ@七島幸之+佐野友美【久我山のSunny platform house】

この度、アトリエハコ(@七島幸之+佐野友美)で設計監理を行った住宅が完成に近づき、 お施主様のご厚意により完成見学会を行わせて頂く運びとなりました。     【久我山のSunny platform house】 落ち着いた低層住宅地の私道突き当たりの敷地に建つ、ダンス教室併設の戸建住宅。 最大容積確保、2台分の駐車場、家族と教室生徒のアプローチ、内部の借景及び近隣家屋とのバッファーとしての庭空間… 限ら...