和風外観二世帯住宅の建替え設計デザイン意匠
建築家31会の展示相談会場で「こちらの建築家の皆さんは、四角い建物しか設計しないのですか?」と、お客様からご質問を頂いたのがご相談のきっかけでした。
私からは「勾配屋根が掛かっている純日本伝統建築から和風モダンデザインと云われる抽象的和風デザインまで、お客様のご要望に応えています」と、写真等もお見せして説明しました。そこでご自宅に伺って相談をいただくことになったのです。
ご自宅にお邪魔しますと、ご自宅は昭和初期に建てられた本格的な日本伝統的家屋でした。外観、内装共に立派なご自宅で、打合せのはじめに「保存改修を行いませんか?」と申し上げるほどで、建替えるには勿体ないと思われました。しかしながらお客様のご希望等をお聞きすると、「夏は暑く、冬は寒い。光熱費も膨大で困っている。また耐震性も低く、改修をしても抜本的に性能を改善出来ないと思うので、建替えたい」と、その決意は堅く、建替えを前提にした計画となりました。
→ 関連解説記事「昭和初期和風二世帯住宅の耐震断熱改善の建替え」
今回は二世帯住宅なので、二世帯がどのように暮らすか、どのようにひとつになるか、すなわち上下に分かれるか?、一緒にするか?、左右に分かれるか?、の検討と話し合いが進みました。二世帯の生活習慣が違うのでしっかり分離。敷地に余裕があるので、上下ではなく、中央にひとつの玄関を設けて左右に分離する二世帯配置となりました。
→ 関連解説記事「和風二世帯住宅の間取りプラン上下左右配置位置」
並行して、お客様のご希望は「和風外観住宅」でしたので、単純に和風の素材で仕上げるだけではなく、どのような屋根を掛けて「和風」を表現するか、模型を作って検討しました。間取りプランはほぼ同じでも、屋根の形状によって印象が異なるので、出来得る限り作って、最終的に和風外観を絞っていきました。
さらに内部で使用されている床柱や仏壇造作、障子や欄間等を保存して、建替えられる住宅に再利用していく方針にもなっています。
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「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...