海が見えて山が眺望出来る家住宅と移住予定の別荘
海が見える敷地、山の眺望を取り込める土地で、住まいや別荘を計画するときは、せっかくの環境を十分に楽しめる家にしたいものです。
注文住宅や別荘の計画で、海や山を十分に味わえる建物になれた事例を紹介します。どうぞお客様の計画に役立ててください。
眺望を楽しみ 非日常を味わう「葉山の別荘」田邉恵一
切り取った景色を楽しむ
別荘設計のご依頼を受けて敷地を見に行くと、そこは「森」と「海」の両方の景色が楽しめる場所でした。お客様はその環境や眺望を別荘で楽しみたくて敷地を選ばれました。
葉山の高台から見渡せる「相模湾の眺望」を楽しみたくて敷地を決められたので、眺望を楽しむ場合は一般的に「景色を見る窓」を前提として設計されます。しかしこちらの別荘の計画では、景色を切り取る方法を「窓」ではなく、建物の床と壁と天井で「眺望を切り取る」方法を考えて実現されました。
具体的には、自然石で仕上げられた LDK の床は、室内が室外まで連続して一体となるように床の高さも同じにしたテラスを、眺望に差し込むように張り出させています。
内部と外部の空気を区切るガラス窓枠サッシも、眺望の邪魔になると考えて壁に引き込まれて隠れるようにして、ガラス窓枠サッシの存在が無くなるようにしていました。
室内側にある白い壁も、眺望を楽しむために支障となる隣地のモノをを隠す役目を担いながら、視線を眺望に向けさせるように突き出させて、天井は続いて大きな庇に変わって伸びて空を切り取り、床・壁・天井と言う要素で眺望が一つの絵画となるように切り取られる設計になりました。
非日常を味わう
別荘で過ごすという事は、「日常の住まい」での過ごし方とは異なる必要があると思います。そして別荘を持つことは「2拠点生活」を実践することにつながりますので、それぞれの住まいから受ける空間体験も異なることが必要でしょう。
例えば、この別荘で実践した非日常の1つは、環境や眺望です。加えて2つ目の非日常的な要素とは「6mの天井高さ」や圧倒的な量塊とも言える自然石と天然木で囲まれた空間です。こちらでは家族が一緒に就寝する事ができる大きな寝室ラウンジや、家族一緒に入れる高さ2.7mの大きな窓を持つバスルームであったり、キッチンの冷蔵庫や家電がパントリー内部に閉じ込められた設えによって、LDKから「日常」を削ぎ落としたことにあります。
これらの建築デザインの工夫によって、お客様は日常からの切り替えが出来てリフレッシュのお役に立っているようです。
リビングから浅間山を臨む大開口「K-HOUSE」(石川利治)
移住を視野に入れた別荘「図書館のある家」(古川達也)
大らかな河川敷に面する自然豊かな環境。約9600冊の書籍を所有するご夫妻の住まいとして、将来の移住を視野に入れたセカンドハウスです。建物半分は住宅、もう半分は私設図書館で互いに連続。広いウッドデッキテラスで地域に開かれ、気軽に来客を迎えられる空間です。
東西南北の眺望から自然のリズムを感じる藤沢の家(泉谷吉信)
この土地は設計者も幼少の頃から慣れ親しんだ場所で、建て主様も近くにご実家があり、この土地の特性を熟知されていました。西側に境川が流れ、境川の向こうには鵠沼の松林があり、富士山は松林に隠れている。北側は大きな公園。南側は住宅が建ち並びその向こうには江ノ島と海が見えます。
建て主様と一緒にこの土地と見て、まず感じたことは、
・北側の半永久的に変わらないであろう公園
・西側の境川
・残されている鵠沼の松林
を借景とすることでした。
そしてルーフバルコニーを作って、南側の江ノ島と海を眺めながらBBQしよう!という共有認識から設計がスタートしました。
土地は47坪と、比較的余裕のある敷地の広さで、上記の条件を当てはめるために2階にLDKを配置しました。南側に大きな開口部を設けようとしましたが、お客様は隣地が住宅がひしめき合っている方向に開くので、大きな窓にすると目線が気になるので気に召さず、南側は風を流す為の地窓と目線を合わさない位置に窓を設けて、ハイサイドライトとトップライトで採光を確保しました。
西側の川と松林を眺めながら、境川の川下から吹いてくる湘南特有の南西の風を取り込むためのフルオープンできる開口部を設けました。
北側の公園を眺められる様にベンチと窓を配置して、北側の柔らかな陽の光を浴びられる様にトップライトを設置しました。
料理好きなお客様なので、キッチンのカタチにはこだわりがあり、
・ガスとIHの両方のレンジ
・バックカウンター収納にAEGの電子レンジ
・ミーレの食洗器
を組み込んで、白色で統一されました。
収納扉もスクエアにすることで良いリズムを醸し出しています。
ダイニングキッチンは連続性を持たせ、リビングとはウェーブの段差でリズミカルに一体感を出しました。
リビングからさらに上がるとオープンな書斎があり、ホームパーティーの時にはDJブースと化します。
メインの階段を上がると360度視界の開けたルーフバルコニーが拡がります。 南側には江ノ島と海を臨み、北側に公園の緑、西側に境川と鵠沼の松林を目に入れながらBBQを楽しむことができます。
桜並木と暮らす家(石井正博+近藤民子)
敷地は都内の区画整理された閑静な住宅街にあり、隣にはご両親やご親戚のお住まいがあります。
道路に大きく枝を張った桜並木の景色を室内に取り込み、一年を通した自然の変化をよ り身近に感じながら暮らしていける、子育て世代4人家族のための住宅です。
2階に設けたワンルームのLDKには、ご主人のこだわりのつまったオリジナルキッチンがあり、ウッドデッキの南テラスとともに、ご家族や親しい人たちと一緒に食事やバーベキューを楽しむこともできる住まいになっています。
眺望の良いテラスでバーベキュー「箱根の別荘」(北島俊嗣)
広いテラスでバーベキュー
箱根の別荘の耐震断熱改修リフォームで、広いリビングの先のテラスは縁側程度の奥行きでした。大勢で食事が楽しめる広さはありませんでした。
山並みと緑の眺望は絶景で、お客様のご希望で外部でバーベキューが出来るくらいの広いテラスにすることになりました。。
ウッドデッキのテラス
リビングの床からは床の高さを同一にして、木ウッドデッキを張り巡らせました。ウッドデッキの先端には、眺望を邪魔させないで、幼児が進んでも安全な形の手摺りを設けました。
改修リフォーム後は、陽が落ちるまでこちらのテラスで冷たい飲み物を片手に箱根の眺望を楽しんでおられます。
− 最新イベント情報 −
「江戸Styleの家」オープンハウスのお知らせ 2024 年11月30日(土) @小泉拓也+栗原守
「江戸Styleの家」オープンハウスを11月30日(土)に開催します。2005年7月に竣工した自邸兼モデルハウスです。約19年が経過していますので、無垢の木などの自然素材が時間の経過とともに美しく変化(経年美化)している様子を確認することもできます。自然素材の小振りな住まい、あたたかく気持ちのよい和モダンな住まいの雰囲気をご自身の目と心で体感してください。 *「江戸Styleの家」はエコの取り組みでグッドデザイン賞を受賞しました。 *2021年12月「渡辺篤史の建物探訪」、「突撃!隣...