箱根の別荘を民泊貸別荘にリフォーム改修リノベーションの断熱除湿結露カビ対策

箱根の別荘をリフォームして、民泊貸し別荘にリノベーションした計画です。

一年を通して湿度の高い箱根の別荘の湿気カビ対策を行いました。

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湿気対策の方針

箱根は夏の期間 日中は日差しも市街地と変わらず高温になりますが、冬は降雪して積雪になるくらいに低温になります。

それに年間を通して多湿で、その湿気は建物内部まで入り込みます。箱根の皆さまの悩みの種の一つです。

今回は年間を通して清々しい室内環境を維持することが課題であったため、湿気除去対策が技術的に解決する重要な課題でした。

技術的な方針は、

  • 湿気を建物の中に浸入させない
  • 建物内の湿気を常に外に排出する

という方針としました。

湿気を建物の中に浸入させない対策

建物は鉄筋コンクリート造です。コンクリートが蜜実で隙間がなければ湿気の侵入は防げますが完璧ではありません。

断熱材

建物の内外の温度差を維持したり結露を発生させないために、屋根・外壁面に断熱材を設置します。

この断熱の性能の維持と湿気を内部に侵入させないための対策として、発泡ウレタン樹脂吹付断熱材が選ばれました。

断熱性能が高く、コンクリート面に確実に付着して、湿気の流通を遮断する効果も高いからです。現場で吹き付けるので既存のコンクリート躯体の隅々まで吹き付けが届き湿気が浸入するかもしれない隙間を覆います。断熱材自体が水分を弾くので水分で変形して落下することもありません。

 ▶︎▶︎ 関連解説記事「二世帯住宅の内断熱発泡ウレタンと省エネ対策」

窓サッシ

外壁に取り付く窓サッシは、複層ガラスの窓サッシが取り付けられ断熱性能を向上させました。内外の寒暖差が大きい冬の寒い時期でも結露の発生を防ぐことができるようになりました。

気密性も高く湿気の浸入を防いでいます。

建物内の湿気を常に外に排出する対策

外壁や窓開口の気密性を高めても、湿気は様々な部分から室内に入り込みます。

部屋を利用している際は、空気調和設備 (除湿機器) であるエアコンが使われ、換気も行われるので心配はありません。

ただ、部屋を利用しない際の室内の湿気が内装に悪さ=カビを発生させます。

そこで、エアコンの付いていない場所や部屋に、湿度が高くなった場合に作動する除湿機が設けられました。

エアコンがある部屋で数日間部屋が利用されない場合は、エアコン自体の除湿機能を作動させて除湿するようにしました。

除湿機によって除去された水は溜めることなく外部に排水される仕組みにして、毎回 排水する手はありません。

湿気を浸入させない、建物内の湿気を常に外に排出する方法を採用することで、内部にカビが発生させないよう対策としました。

 ▶︎▶︎ 関連解説記事「湿度が高くてカビ臭い@箱根の別荘」

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著者情報

北島 俊嗣北島 俊嗣

北島 俊嗣 きたじま としつぐ

株式会社北島建築設計事務所

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