寒い北側のお風呂バスルームを明るい南側に移動するリフォーム
建築家もリフォームの設計をいたします。
建築家に依頼すると良いであろう、リフォームの悩みごとについてお話しします。
既存の住まいは東西に長く、南側の採光も十分な立地。もとの間取りは南側に8畳間が3部屋、北側に台所と洗面浴室が並べられていました。
依頼のあった時にご主人は70歳。まだ現役で働かれていらっしゃいましたが、近くリタイヤすること、子供たちが独立して間取りが不自由であったことからリフォームを考えておられました。
リタイヤ後は昼間に入浴することも多いだろうから、と浴室を明るい場所への移動を希望されていました。北側のお風呂は入浴前の洗面が寒く、ヒートショックで事故につながる可能性もありました。
提案したのは、ご夫婦二人の生活が快適に送れるように、LDKをひとつながりの大きな部屋とし、家の南東の角、採光と換気が条件のいちばん良い場所にお風呂を移動することでした。隣地側が低くなっており、庭に少し植栽があれば、視線を気にすることなく入浴が可能だったからです。
建築家以外のリフォーム専門会社や、設計が得意でない工務店ではまずこのような発想は難しいと思われます。
給排水の配管ルート、耐震性能を確保しながらの間取り変更などとセットにしながらでないと、このような大胆な提案は難しいからです。

入浴時間を楽しむために、内装を木で仕上げました。ヒノキ貼です。
浴槽の下部だけユニットバスになっている、ハーフユニットバスを利用し、
掃除のしやすさ、防水性能の確保をしながら、自由な壁の仕上げを選択できるハーフユニットバスは利用価値が高い浴室の工法だと思います。
ここでは、浴室を含めてオールバリアフリーを目指したので、浴室の入口も引き戸で段差無く入れるように工夫がしてあります。

TOTOなどの大手のハーフユニットバスは出入り口は開き扉しか選択肢がありませんので、日比野化学というFRP浴槽を作っている会社から取り寄せ、浴室側の天井に吊り引き戸が仕込んであります。床に敷いてあるヒノキは、香りを楽しむだけでなく、スノコ状になっていて、脱衣室との段差を無くすために置いてあります。
スノコを外すと、FRPの床が現れ、掃除ができるようになっています。
浴室に木を貼ると、腐ったりしないか心配になりますね。
しかしここの場合は、南側に十分な大きさの窓があること、窓と出入り口の引き戸を開け放しておけば、通風は申し分ない環境だからこそ、迷いなく木を貼ることができています。
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