丁寧に解体する建替えできない木造住宅スケルトンリフォーム
今週のリレーブログを担当しますギルドデザイン一級建築士事務所の磯村です。
建替できない家というのは、大体築年が古く、今回ご紹介している「建替できない家」も天井裏から出てきた棟札には、昭和43年の書き込みがありました。築年数は、48年になります。
これだけ古い建物だと、木造部分の腐朽やシロアリの害があるのが常ですし、構造的には、木造部分の耐震性はいうまでもなく、基礎の考え方も、全く今とは違っているはずです。
設計前に和室の畳を上げて確認した時には、思いの他きれいなコンクリートのように思えたのですが、やはり解体されると問題点は見えてきました。
隣地境界との間が狭く、覗くこともできないエリアの多かった、この「建替できない家」では、堆積した土により、土台と地面がほとんど同じレベルで、通気も悪いために、土台は腐り落ちている状態でした。
そんな場所にある柱は、足元がなくなっていました。柱は、もう2階を支えているわけではなく、ぶら下がっているだけです。大きな地震が来たら大変なことになっていたかもしれません。
基礎は、48年も前のものとなれば、鉄筋の入っていないコンクリートです。20年くらい前までは、無筋コンクリートの基礎も一応認められていたのですが、コンクリートの劣化や圧縮力だけでない力が加わるところは、このようなクラックが入ってしまいます。
かつての基礎の考え方は、今とは違っていているからですが、これでは、基礎によって建物を一体化するなんてことは、とても考えられません。
案外、少し古いだけの建物でも、こんな状態になっている基礎があるかもしれません。
柱の一部ではシロアリの害も見られました。今はもういないようですが、かなり食われてしまっています。柱は取り替えが必要です。
解体することで、問題はたくさん見つかっています。
ただ、木造の素晴らしいところは、これらの問題を、ある程度の費用はかかるものの、修正していけるところです。
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